世田谷区の教育事情……住んでみたい区・高級住宅街?

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 「等々力(とどろき)」「成城」などに代表される、閑静な高級住宅街が広がるイメージが強く、住んでみたい区としてあこがれの的とされる世田谷区。区内の90%以上を住宅地が占めるという数字も、その裏付けとなるかもしれませんが、昭和7年に世田谷区が発足した時点では、面積こそ東京市第1位でしたが、人口は13万人強で、東京市35区では最少でした。それが今や東京一となる90万人以上が住まい、将来的には100万人を超すというデータもありますが、世田谷区は全国20の政令指定都市に匹敵する自治体です。

 さて、世田谷区の区立中学校は、太子堂中、烏山中など、どれも地名や立地にちなんで命名されていますが、昭和22年創立の14校と、深沢中など昭和23年以降に設立された12校と、船橋希望中など統合により平成になって誕生した3校を合わせた29校で構成されています。

 世田谷区の教育の特色の一つに、小・中学校の教員が共同して教育活動を進める「学び舎」制度があります。学校選択制が実施されないことも幸い(?)し、中学校と近隣の小学校で29のグループを構成して、それぞれが「さくらの学び舎」「砧の学び舎」などと名付け、9年間を見据えた活動を続けています。その結果、高校進学では難関とされる高校への合格者を増やすなど、確かな成果を出しつつあるといいます。

 また、世田谷区独自の教科である「日本語」の授業が、平成19年より週に1時間、全ての小・中学校で行われています。これは、平成16年に「世田谷『日本語』教育特区」の認定を受けて実施されているものです。「教科」ということで、教科書が当然必要ですが、区での作成ということで、表記や用字に誤りが見られました。さらに中学では、「哲学」「表現」「日本文化」を学びますが、なぜそれらを世田谷区の中学生に学ばせる必要があるのか、また、指導に当たる教員がどのような準備をし、どのような思いで授業に取り組んでいるかは疑問です。

 なお、「校則なし」「制服なし」「定期テストなし」と、某千代田区立中と同様な学校運営でマスコミに注目された中学校がありますが、生徒の声や賞賛の弁ばかりでなく、勤務する教員の本音も知りたいところです。生活指導で苦労しているという話も聞きますので。長く在職した校長先生が勇退しましたので、今後の展開が注目されます。

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