渋谷区の教育事情……ちがいを ちからに 変える街

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 「若者の街」「ファッションの街」「高級住宅地」など、さまざまな顔やイメージをもつ渋谷区。再開発の進むJR渋谷駅周辺には、新たな高層ビルが幾つも建ち、ますます人が、若者が集まる街に変貌しようとしています。文部省唱歌『春の小川』の歌詩に描かれた景色が、実は渋谷区のそれであることなど、今や誰が想像できるでしょうか。

 渋谷区には、広尾中、代々木中など昭和22年の創立以来の名を保つ学校と、外苑中と原宿中が合併して誕生した原宿外苑中と、近隣の小学校と一体化した渋谷本町学園の計8校の中学校があります。ただし原宿中は、昭和37年に外苑中の分校として設立され、平成9年に外苑中と統合されましたので、渋谷区ではこれまでに誕生した全ての中学校が命脈を保っていると言ってもいいかもしれません。

 さて、渋谷区の中学生の学力は総じて高く、各中学校の評価も評判もまずまずですが、学校選択希望制が取り入れられています。平成3年度に向けては、上原中・原宿外苑中・松濤中・渋谷本町学園の4校が抽選対象となりました。

 渋谷区では、その基本構想として、「ちがいを ちからに 変える街」というスローガンを掲げていますが、学校教育に関しては、  「新たな学校づくり」として、広尾中を「都市型中高連携教育校」、鉢山中を「理数教育重点校」、上原中を「教科教室型教育校」、松濤中を「英語教育重点校」、渋谷本町学園を「小中一貫教育校」に指定しています。しかし、ホームページを見る限りでは、具体的な活動の様子や得られた成果は分かりません。また、上原中では、全ての教室を教科の教室としたため、従来のような普通教室はなくなりましたが、一校だけを特別に改修したことには疑問を感じます。また、現段階では何らの重点校ではない中学校の今後についても、注目されるところです。

 要するに、児童・生徒の学力や学校に対する評価が「高値・安定」にある区では、他区が試行錯誤する、(奇)妙な施策は必要ないかもしれません。

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