教育管理職選考(試験) 論文2 東京都 

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記事概要 東京都の教育管理職選考(試験)、つまり副校長や教頭になるための試験の論文問題の解答例を紹介していきます。

問題
 変化の激しい現代において、教育管理職のあり方が問われています。
 このことについて、100字以内で課題を設定し、その課題について教頭としてどのように考えるかを2000字程度で述べなさい。

解答例 
 国際化・高齢化・少子化など、「目覚ましい発展」に該当する状況は、「情報化」に限らない。私は教頭として、「生きて働く力」を子供たちに育てるべく、学校長の経営方針の下、教職員のリーダーとして心血を注いでいく。
1、生徒一人ひとりの長所を活かす学校教育を推進する。 
 学校教育の主役は生徒である。そのため、我々教職員は、生徒一人一人がその長所を生かし、活躍できる場面を、生き生きと生活できる環境を整える必要がある。人には、基本的人権が保障された職業選択の自由がある。しかし、生徒には、学校や教師を選択する自由はない。したがって、1日の大半を学校で過ごす生徒の身になって、我々は 学校教育を推進するべきである。
 私は今まで、「生徒一人一人が活躍できる場を提供すること」を目標に生徒指導にあたってきた。学校生活のどこかで、一人ひとりが輝く体験をさせ、自信をつけさせたかったからである。学級指導では、「いつ、どこで主役になるか」「自分の出番はどこか」を訴えかけ、行事ごとに適材適所を心がけた。教科指導では、基礎基本の定着を図り、わかる喜び、発言する楽しさを実感できる授業を行った。また、部活動では、試合の勝ち負けより、自分の持てる力を十分に発揮できること、満足のいく試合をすることを指導してきた。
 しかし、 学校をあげての活動には至っていない。現任校の学校長は、「学校は子供のためにある」と常々語っている。私はこの考えに従い、教頭として、子供のための学校づくりに心血を注ぐ。具体的には、➀「新しい学力観」に基づいた授業を全職員に指導する。②教科選択の拡充や 、ティームティーチングの活用を図る。③委員会活動、部活動など、異年齢集団による活動を盛んにする。④いじめや差別を許さない。⑤非行に走ったり、登校拒否に陥ったりした生徒のために、いつでも門戸を開いておく。
 こうして、生徒一人一人の長所を活かす学校教育を推進していく。 
2、全校で研修に取り組み、質の高い教師集団を育成する。
 学校教育において、直接子供の教育に当たるのは教師である。校長が変われば学校が変わるように、教師が変われば生徒も変わる。「担任が変わった途端と子供が変わった」という話をよく聞く。「教員が良ければ、良い生徒が必ず育つ」を肝に銘じ、謙虚に職務に励むべきである。
 教師はプロの集団であるが、個々の資質や能力を高めるには、常に研修に努める必要がある。ところで、 現任校は職員数が多く、人手があるため、何かと他人任せてあったり、足並みが揃わなかったりという問題がある。以前は実施されていた夏季休業中の一日研修も、いつの間にかになくなってしまった。しかし、ここの教師は、様々な悩みを抱え、校内研修によって問題解決を図ろうとする教師もいる。ところで、現任校では今年から研修主任が変わり、年間計画に沿って研修を進めることになった。一年に数度であった研究授業の回数も増えてきた。私も、道徳で研究授業を行う予定でいる。
 私の尊敬する学校長は、「一芸に秀でた教師になる」と指導してくださった。練習に励み自己の能力を高めなさいということである。私はこの教えに従い、教頭として校内研修を推進する。具体的には、➀学校年間計画の中に研修の年間計画を組み込む。また、テーマ選定に至る準備は、前年度中に行わせる。②テーマ設定に当っては、研修部並びに研修主任に適切な指導助言を行う。 さらに、必要とあらば、資料を用意する。③夏季休業中の1日研修を復活させる。④個々の職員に、個に応じた研修を紹介し、参加を促す。⑤時間割を工夫し、補強体制を整え、安心して出張できるよう配慮する。そして、研究・研修に努力した教員を相応に評価し、全職員の研修意欲を高める。
 こうして、全校で研修に取り組み、質の高い教師集団を育成する。

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