教員採用試験の論文問題の傾向の分析と2024の出題予想 【東京都の教採は独学でなんとかなる】

スポンサーリンク

記事概要 近年の東京都の教員採用試験の、論文問題の傾向を分析します。結論として、これまでの校種別出題ではなく、小学校・中学校・高校で問題が統一されたことから、今後は専門性よりも具体性が求められる出題となるでしょう。
これに関する動画はこちら

前回記事はこちら

東京都教員採用試験の論文の過去問一覧 2017年~現在まで
記事概要 東京都の教員採用試験(東京都公立学校教員採用候補者選考)の論文の問題を、2017年から現在まで集めました。各年度の一般選考の問題を紹介します。 2017(平成29)年度 論文問題 小学校全科、小学校全科(理科コース)及び小学校全科...
スポンサーリンク

近年の論文問題と論述すべき内容

 東京都の教員採用試験の論文問題の傾向を分析するために、近年の論文試験で論述を求められる内容をまとめていきます。ちなみに論文問題では、

「学校で求められる○○教育をあなたはどう取り組んでいくか」

という問題が毎年出されます。今回はまず、論文問題を小学校全科と中高共通で分け、論文を書くために問題文の中で大事な箇所をピックアップし、論述するための主軸を書いていきます。

 論文試験の問題文の全文は前回記事を参考にしてください。

小学校全科、小学校全科(理科コース)及び小学校全科(英語コース)

2017年
出題 『学習や生活のきまりを守らせる。』
論述するテーマ→きまりを守らせる・道徳教育

2018年
出題 『学習や生活における児童の意欲的な態度を育む。
論述するテーマ→意欲をもたせる・積極性をもたせる教育

2019年
出題 『学校生活において、相手の考え方や立場を理解し、共に支え合うことができる児童を育てる。
論述するテーマ→思い遣り・道徳教育

2020年
出題 『学校生活において、失敗を恐れず苦手なことや初めて取り組むことに挑戦する態度を育てる。
論述するテーマ→挑戦・積極性教育

2021年
出題 『教師と児童との信頼関係を築き、児童相互のよりよい人間関係を育てる』
論述するテーマ→思い遣りの気持ちを育てる教育

2022年
出題 「自主的、自発的に学習したり活動したりする力を育む」
論述するテーマ→積極性・思考力を高める教育

2023年(小中高共通)
出題 児童・生徒一人一人のよい点や可能性を引き出し伸ばす教育が求められています。
論述するテーマ→個性や可能性を伸ばす教育

小学校全科以外の校種等・教科

2017年A問題    
出題 『自分の考えを的確に表現する力を育む。』
論述するテーマ→表現力

2017年B問題
出題 『自らの役割を責任をもって果たすことができる力を育む。』
論述するテーマ→役割・責任感

2018年A問題
出題 『他者の考えを理解し、自分の考えを広げ深めることができる力を育てる。』
論述するテーマ→思い遣り・表現力

2018年B問題
出題 『生徒が、学校生活に適応し、よりよい人間関係を形成するために、生徒理解を深め、生徒指導の充実を図る。』
論述するテーマ→思い遣り・コミュニケーション能力

2019年A問題
出題 『各教科・科目等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせて、自ら問いを見いだし探究する力を育成する。』
論述するテーマ→思考力・探求力

2019年B問題
出題 『様々な集団での活動を通して、課題を見いだし、よりよく解決していく力を育てる。』
論述するテーマ→課題解決力

2020年A問題
出題 『問題を発見・解決したり自分の考えを形成したりしていくために必要な情報を活用する力を育てる。』
論述するテーマ→情報活用力

2020年B問題
出題 『規範意識を高めるとともに、自律性を育む。
論述するテーマ→道徳・自律性

2021年A問題
出題 『言語活動の充実を図り、言語能力の向上を目指す』
論述するテーマ→言語能力・語彙力

2021年B問題
出題 『生徒の自己肯定感を高められるよう、生活指導の充実を図る』
論述するテーマ→自己肯定感・生活指導の充実

2022年A問題
出題 「多様な考えを認め合い、合意を目指して話し合う態度の育成を図る」
論述するテーマ→多様性・折衝能力

2022年B問題
出題 「個に応じた指導の充実を図る」
論述するテーマ→個に応じた教育

論文問題の分析

 昨年度までは小学校と中高の受験とで、論文問題が異なりましたが、2023年度(令和5年度)からは一本化され、また、A問題・B問題という選択肢はなくなりました。受験問題の一本化と選択肢の廃止により、校種や出題で受験者が不利益を被ることはなくなると考えられます。受験問題の一本化は、出題の幅を狭めるでしょう。具体的には、2017年の小学校全科での出題、『学習や生活のきまりを守らせる。』は、中高生を対象とする指導としては内容が不似合いでしょう。また、2020年A問題の『問題を発見・解決したり自分の考えを形成したりしていくために必要な情報を活用する力を育てる。』は、小学生を対象とする指導としては内容が高度でしょう。

 したがって、小中高共通問題では、こういった『校種(小中高)に即した』な問題は避けるはずです。つまり、東京都の教員採用試験の論文問題は、『専門性』よりも『具体性』を要求される問題になると予想します。

 論文問題で論述するべき内容を分析し、ジャンル分けすると、『道徳心』『積極性』『表現力』『思いやり』と『言語、表現、思考などの実践的な能力』を、教員としてどう指導していくのかを論述させる問題が多く出されています。教員採用試験の論文対策としては、道徳心、積極性、表現力、思いやりについて、『学習面』と『生活指導』の両面から、どのように生徒に指導するのか、そのネタ、つまり「策」を用意しておけばよいでしょう。
 

コメント

  1. Tatsuro より:

    いつもブログ拝見しています。
    今年の論文の出題予想、大当たりでしたね!私はGarudaさんの論文対策で準備しておりましたので、慌てずに書くことが出来ました。本当にありがとうございます!
    私のように社会人として働きながら教採合格を目指す者には、情報が極めて少ないので、このブログを大いに活用させて頂きました。これからもこのような発信を続けて頂けると、私のような者には大変心強いです。

タイトルとURLをコピーしました