記事概要 令和3年度の東京都教員採用試験の、問題Ⅰの一般選考のB問題の論文の解答例です。東京都の公立中学校か高校(論文問題の小学校全科以外の校種等・教科)の教員を志望する人が受験する試験問題です。私Garudaが書いた論文ですが、十分に1次試験合格レベルの論文になっています。ちなみに、希望する校種は英語となっています。なお、私Garudaが書いた論文の解答例は、教員採用試験の問題用紙の「1行35字」に合わせています。
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令和3 年7 月 70分 論文問題 小学校全科以外の校種等・教科 問題Ⅰ 一般選考 B問題
B 次の記述を読み、下の問題について、論述しなさい。
あなたは、生活指導・保健指導部に所属している。
年度初めの生活指導・保健指導部会で、生活指導主任から、全校生徒を対象に行った学校生活アンケートでは、「自分には、良いところがある」に否定的な回答が多く見られたこと、また、各学年の生活指導担当の教員からは、「苦手なことは、挑戦せずに避けようとする生徒が多く見られる」や「学校生活の様々な場面で、自分にはできないとあきらめる生徒が多い」ことが課題として挙げられたとの報告があった。
その上で、生活指導主任から、「今年度、生活指導・保健指導部として、『生徒の自己肯定感を高められるよう、生活指導の充実を図る』を重点事項にしたいと思います。」と示された。
部会終了後、生活指導主任からあなたに、「先ほどの重点事項に基づいて、生活指導・保健指導部の一員として、どのように指導に取り組んでいくか、具体的に考える必要がありますね。」と話があった。
問題
生活指導主任の発言を受けて、あなたならどのように児童・生徒の指導に取り組んでいくか、志望する校種に即して、具体的な方策を二つ挙げ、それぞれ10行(350字)程度で述べなさい。また、その方策を考える上での問題意識を明確にし、全体で30行(1,050字)以内で論述しなさい。ただし、26行(910字)を超えること。
引用 東京都教育委員会 令和3年度東京都公立学校教員採用候補者選考 第一次選考https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/static/kyoinsenko/saiyo_kako/4senko.html
解答例
私は学校生活のさまざまな場面で生徒に成功体験を積ませて、生徒を適切に 褒めることで、生徒の自己肯定感を高める生活指導の充実を図る。 1 係活動をローテーションさせ、達成を支援し、生徒の自己肯定感を高める。 自己肯定感を高めるには、一人一人の生徒に役割と責任を与え、役割を果た した達成感を感じさせることが最良の方法である。係活動は、生徒全員に平等 に与えられる役割であり、達成感を通じて自己肯定感を高めることにつながる。 生徒の中には、任された仕事を好まず、さぼりがちとなる者もいる。私は係 活動の必要性と重要性を繰り返し話して聞かせ、謝意を伝えた結果、係の仕事 を主体的にこなす生徒が増えるようになった。 そこで、毎日の帰りの会で、「今日1日頑張っていた人」を紹介させる。互 いの長所や努力を探させ、褒め合わせることで、自己肯定感を高めさせる。学 級担任として、名前の上がりにくい生徒に配慮し、生徒全員に焦点が当たるよ うにする。また、学級通信等で、努力の様子を広く広報する。さらに、学期末、 年度末に自己の頑張りを自己評価させ、表彰状を用意するなどして、生徒が行 ったことを肯定させる。 2 挑戦して成功できる環境や状況を作り、自己肯定感を高める。 何かに挑戦する際には、不安がつきものである。しかしその不安も、周りの 助けや信頼、努力により安心に変わり、安心が自信にさえ変わることがある。 合唱コンクールの指揮者を決める際に、指揮者をやってみたいが、失敗を恐 れ指揮者に立候補をしない生徒がいた。私は「練習すれば指揮者をできるよう になる」と伝えたところ、その生徒は練習に励み、指揮者の役割を全うした。 私は「挑戦する人を応援する」ことをクラスの目標にする。挑戦を茶化す生 徒がいない環境をつくり、挑戦に前向きな生徒を増やし、何事にも全力で挑戦 空気を生徒に、そして、学級内に作る。目標の実現に向けては、いつまでに何 を達成させるか、必要となる支援や協力は何か、予想される課題は何かなどに ついて計画させる。計画の進捗状況を管理し、必要な指示や助言を与えること で一人一人の生徒を支援する。たとえ挑戦が失敗しても、良かった点や次の挑 戦につながる箇所を褒め、「ムダな失敗はない」こと伝え、継続して課題に取 り組ませ、「粘り強く行動して成功した」という経験を生徒に積ませる。 私は以上のことをして、生徒の自己肯定感を高める生活指導の充実を図る。
計993字
総括
練りに練って作った論文の答えですので、論文試験の制限時間である70分で作成した論文ではありません。しかし、解答例としては十分な完成度の論文です。この論文の構成過程はこちら
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