中・小規模の町工場の集積地として、「京浜工業地帯の中核をなす区」という印象の強い大田区ですが、東京湾に面する海抜0m地帯から、田園調布などの海抜40mを超す高級住宅地まで標高差が大きく、坂の多い区としても知られています。東京湾の埋め立てで区域が徐々に拡大し、臨海部にはオートキャンプ場を備えた公園を始めとして、東京港野鳥公園、城南島海浜公園などの大規模な都立公園が幾つもあります。ついには、羽田空港の拡張で、世田谷区を抜いて23区最大の面積を誇る区となりました。
大田区は、昭和7年に成立した大森区と蒲田区が合併して誕生した区で、それぞれの区名から1字を取って「大田区」と命名されました。したがって、「太田区」という表記は明らかな誤りです。
さて、昭和22年に、大森の名の付くナンバースクール10校と、馬込中、雪谷中、出雲中、六郷中、矢口中、御園中、東蒲田中の17校が誕生し、昭和57年に開校した大森東中で28校体制となりました。以前は、臨海部の中学生は「元気がよい(やんちゃである)」、山の手地区の中学生は「頭が良い」と言われもしましたが、最近は学力も平均化する傾向にあり、また、子どもがおしなべて紳士的(淑女的?)になったという話で、陰湿ないじめや暴力行為はほとんど見聞きされないそうです。なお、他区でも同様な傾向が見られますが、学力が平均化する背景には、私立中学に進学する生徒の増加があるかもしれません。
大田区では学校選択制は実施されていませんが、特別な理由がある場合には、区の教育員会に相談し、指定校変更制度を利用することができます。
一時はほとんどの区に中学生の海外派遣制度がありましたが、羽田空港が国際化されたこともあってか、大田区では今なお、各中学2年生の代表2名、合計56名を、アメリカとドイツに12日間派遣しています。これは大田区の国際理解教育の大きな特色と言えるでしょう。
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