記事概要 東京都23区の公立小学校・中学校の中で、新しく評判のいい学校が生まれない理由について、教員の人事異動と在籍期間の点から説明していきます。
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東京都の公立学校教員の人事異動と在籍期間のしくみ
公立学校教員の人事異動
私立学校と異なり公立学校の教員には、年度ごとに人事異動があります。東京都の公立学校の正規教員は基本的に、在籍4~6年程度で学校を異動します。しかし、この4~6年という数字はあくまでも目安にしか過ぎません。育児休暇や介護休暇などの期間を挟むことにより、1つの学校の在籍期間が10年以上になることがあれば、寿退社により1年で教員の仕事を退職するということもあります。
優秀な先生は在籍期間が長くなる
1つの学校の在籍期間が長い教員(学校在籍期間が7年を超えるような教員)は、十中八九優秀な教員です。生徒の視点で言えば、「○○くんの兄貴は~だった」「○○さんは○○さんの妹でしょ?」など、生徒の兄弟姉妹を知ってる(兄弟姉妹を指導したことがある)ような教員は往々にして、指導力のある教員である可能性が高いものです。なぜなら、多くの場合、学校行事のリーダーを担っていたり、学年主任や教務主任、生徒指導の中心の役割に就いていたりする場合が多いです。
なぜ、在籍期間が長い教員は優秀なのでしょうか。それは、学校側が優秀な教員に残ってほしい、学校(校長)として、優秀な教員を他の学校に出したくないからです。そのような教員は、学校の仕事の中でも重要な仕事を任されている場合が多いのではないでしょうか。優秀な教員は学校側から必要とされているため、在籍期間が長く(在籍期間が7年以上)になることが多い傾向にあります。
しかしながら、本当に使えなさ過ぎて、異動させられないレベルの教員もごくまれにます。
どれだけ優秀な教員でも在籍年数は最大6年
私立学校は別として、いかに優秀であろうとも、公立学校の教員は、人事異動から逃れることは不可能です。はるか昔の太平洋戦争後には、現代では考えられないほど長い期間一つの公立学校に勤務していた教員がいる(私Garudaは、20年間同じ学校に所属していた教員がいたという話を聞いたことがあります)、ということがありますが、現代では99%あり得ません。
本来的にはどんな教員でも、学校の最長在籍年数は6年です。東京都では6年を超える在籍はあり得ませんが、校長の具申により、7年間在職する教員もいます。
優秀な教員によって評判がいい学校が造られても、その教員もいつかは異動する
優秀な教員が努力して、評判がいい学校が造られたとしても、公立学校では、いつかはその教員は異動していきます。人事異動は絶対に逃れられないことです。ゆえに、短期間で評判がいい学校が誕生したとしても、評判がいい学校を継続させるのはかなり難度の高いことなのです。
「人事異動により、全ての学校を活性化させる」というきれいごとを言う人がいますが、人事異動があるゆえに、東京都23区の公立小学校・中学校に、評判のいい新たな学校は滅多に生まれないという、皮肉な現実があります。
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