遡ること平安時代。当時は橋そのものが珍しく、石神井川に木製の橋が架けられていたことに区名が由来するという板橋区。そのような長い歴史があるものの、区民からは「特色の無いことが特色」というやや自虐的な声も聞こえますが、物価や家賃が比較的安く、昔ながらの人情味の残る区として知られています。また、区の花であるニリンソウの妖精をモチーフにした「りんりんちゃん」というマスコットキャラクターを前面に出し、板橋区のイメージアップと観光PRに努めています。
さて、現在の板橋区には、板橋一中・志村一中など、地名と数字を組み合わせた中学校と、地名を冠する中学校が、合計して22校あります。区立中学校のほとんどが、昭和30年代末までに誕生していますが、高島平地区の3中学に関しては、昭和40年以降の設立です。これは高島平団地の建築に伴う生徒増に対応したものでしょうが、それまでは通学に長時間を要する生徒がいたと考えられます。
全国的に生徒数が減少する中、板橋四中と向原中が板橋三中・上板橋二中に統合された以外は、誕生した全ての中学校が存続しています。これは板橋区の大きな特色です。
全国学力テストの結果によると、板橋区の中学生の学力には課題が窺えます。板橋区では、平成22年以降、保幼小中連携教育を、①同じ学区の複数の小・中学校による「連携方式」、②学校用地が同一の「一貫方式」、③耕地が隣り合う「隣接方式」の3タイプで推進しています。一貫方式下にある中学校では、中学生を七年生、八年生となどと呼んだりしますが、中学校を核とした「学びのエリア」ごとに「目指す子ども像」を定め、9年間を通した教育に取り組んでいます。こうした施策が実を結び、子どもたちの学力向上が期待されます。
なお、平成24年に学校選択制が見直され、「入学予定校変更希望」となった背景には、小中連携教育の推進があるかもしれません。
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