記事概要 保護者や生徒、若手の教員が、職務上で関わりのある教員の資質を測るための評価基準を書いていきます。残念ながら、公立学校に所属する職員の誰しもが、「いい人間」「有能な人間」だとは限りません。そこで、公立の小中学校に勤める教員を評価する際の、基準やバロメーターについて解説していきます。今回は、地域及び保護者の視点での校長の資質及び評価基準について書いていきます。
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地域による校長評価
学区域の有力者や学校の来賓と友好が図れているか
学校選択制が導入されているか否かにかかわらず、公立学校は地域の学校です。卒業生や元保護者は、学校周辺に多く居住し、教職員や児童・生徒には興味・関心・批評の目が常に向けられています。したがって、教職員の長である校長は、一挙手一投足が注目されます。些細な言動が、「今の校長は大したもんだ」と評価されることもあれば、些細な言動で、「今度の校長はひどいもんだ」とされることもあります。
さて、学区域の有力者や学校の来賓と良好な関係を築くには、一人一人の名前と顔とをいち早く覚え、一人一人にまつわる業績や事績を把握することです。校外でいち早く挨拶することで、『校長は自分の姿を認めているんだ』、あるいは、何気ない会話で、『なぜそんなことまで校長は知っているんだ』と相手に思わせることができたら、しめたものです。一目置かれることでしょう。
地域や町会の行事に顔を出しているか。
児童・生徒が関わる地域の行事には、地区運動会や避難訓練や清掃活動などが、また、町会の行事には、神社の祭礼や盆踊りや子ども会活動などがあります。「警察署長、郵便局長、小中学校長」を「三長」とたたえる地域が今なおありますが、校長には、地域や町会からさまざまなご招待・ご案内が届きます。
若者の意識はどうあれ、地域や町会の行事への校長の出席は、主催者や団体の幹部に大きな喜びや満感をもたらします。単に顔を出すだけでなく、出場したり何かの役を担ったりすれば、校長の評価はより高まることでしょう。また、児童・生徒に働きかけた結果、子どもたちが地域や町会の行事の担い手となれば、校長や学校は大きく感謝されることでしょう。
公立学校は地域の方々の協力の元、運営を成り立たせている面もあります。特に、教科指導以外での面、例えば地域に貢献することやお年寄りを敬うこと、道徳に関することや防災訓練など、地域の方々に助けていただいていることを挙げていけばきりがありません。公立学校は地域の活動に貢献することは、ある意味当然のこととも言えるでしょう。
そこで、校長を判断する基準の一つとして、「地域や町会の行事に出席しているのか」という点です。「校長が行事に参加することが貢献になるのか?」という疑問は確かにあるでしょう。校長は「校長である」というステータスを売っています。行事の主催者側に「校長が来てくれた」と思うような人がいることにより、校長を高く評価する人が出てきます。
一方で、校長がいたところで何の価値もないと思う人が多いような環境では、校長が行事に顔を出すことに意味はありません。校長という肩書を捨て、労働力の一人として活動しない限り、校長はただの置物にすぎないでしょう。
学校施設の開放に努めているか。
学校の、特に都会の学校の校舎や校庭は、「宝の山」といえます。学校施設開放制度が始まるまで、学校がお休みである土曜や日曜や祝日の学校利用は不可でした。けれど、設備がある程度整っている学校を、休日に利用できないのはある意味もったいないと言われるようになりました。
そこで、児童・生徒の教育活動に支障が無いという条件で、夜間や休日に学校施設の利用を可とする開放制度が始まりました。校庭や体育館などの利用がメインですが、時と場合によっては教室や調理室などの特別教室も開放されています。
さらには、自然災害に備え、校庭で炊き出し訓練や、教室や体育館で宿泊体験をしたいというような要望が出されます。学校視察の管理者は校長ですので、そのような希望にこたえられれば、校長や学校の評価は高まることでしょう。
また、トラブル防止のため、ボール遊びやスケートボードなどの活動を制限している公立公園が増えています。無論、物品の破損や夜間の騒音などは困りますが、可能な限りで学校施設を開放することは、地域への恩返しといえるでしょうし、校長がリーダーシップを発揮し、学校施設の新たな活用法を検討することは、学校の主体性を育むことにつながるでしょう。
学校施設の開放により、地域住民の憩いの場が増えるのはいいことでしょう。
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