記事の概要 近年LGBTの課題もあり、男女という性の区別に関する認識も変化してきています。男女共学か男女別学か、男女共学校か男子校か女子校かについて、その歴史と今後について書きます。
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私立高校の巻き返し(逆襲)1
東京都内の多くの私立高校は、第二次世界大戦前から続く伝統校で、戦後もそのほとんどは男子校または女子校のままでした。しかし、都立名門高校の大学進学実績が華々しく報じられ、また、都立高校の新設が続くことで、私立高校を第一志望と生徒は少なく、学力面では長らく低迷し、都立高校に及びませんでした。
しかし私立高校は、復権を目指してさまざまな取り組みを始めます。
特待生制度や特別進学クラスの導入
成績上位者の入学金や授業料を免除する特待生制度や、成績上位者のみのクラスを設け、特別な時間割や教材で著名大学への進学実績の向上を図りました。中には、進学クラスの生徒に、月1万円の「お小遣い」を与える私立高校もありました。
スポーツの振興と全国大会への進出
各種スポーツの大会上位入賞者を全国から集め、インターハイや国民体育大会(国体)に出場することで、学校名を広くアピールしました。例えば、女子バレーボールで一躍有名となった高校では、スポーツ特待生用のマンション一室を用意しました。
硬式野球の強豪校では、黙っていても有力選手が集まりましたが、選抜大会や選手権大会で甲子園球場に出場すれば、それだけで偏差値が上がると言われました。〇県の〇〇学院では優秀な監督をスカウトし、甲子園への出場回数を重ねるにつれ、「進学校」とも呼ばれるようになりました。なお、スカウト料は、戸建て住宅だったと言われます。
大学推薦枠の獲得と短期大学の設立
大学附属校でない私立学校では、さまざまな大学の推薦枠を獲得することで、「現役大学進学」を宣伝文句としました。また、幾つかの女子校は、卒業生の受け皿として東京近県に短期大学を設立しましたが、入学する生徒の学力が高まるにつれ、皮肉なことに係属の短期大学には進学しない生徒が増えました。
また、短期大学が4年制大学に改変された結果、「〇〇大学附属〇〇女子」を名のり、ついには、男女共学校になりました。
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