『死神の精度』
著 伊坂幸太郎 文春文庫
概要
『ゴールデンスランバー』『アヒルと鴨のコインロッカー』など、たくさんのヒット作品を生み出し、映画化した作品も数多く出している作家伊坂幸太郎の作品。主人公の千葉は死神です。死神はたびたび、一人の人間を調査しに人間界に現れ、かけてその人間の生死を「可」と「見送り」で判断します。「見送り」と判断された人間は普段どおりの生活を送ることになりますが、「可」と判断された人間は、死神が人間界に降りて8日目に死亡します。死神の千葉は、対称者の生死をどう判断するのか。
作品の魅力
短編の集まりの作品であり、どの話も面白いです。加えて、最終話を読むと、なんのつながりもなかった伏線回収を味わうことができ、「これぞ伊坂幸太郎」を感じることができます。主人公千葉がユニークであること、会話が多いこと、それぞれの話が長くないことにより、死が中心の話ではあるものの非常に読みやすい作品になっています。
死に対しての考え方
死神の視点から、様々な人の視点から、の「死」に対する考え方が魅力的です。作中の死に関する意見をいくつか紹介します。
人の死に意味はなく価値もない
幸せか不幸せかなんてね、死ぬまで分からない
一番最悪なのは死なないこと
死ぬというのは、そういうことだろ。生まれる前の状況に戻るだけだ。怖くないし、痛くもない
幸せか不幸かなんてね、死ぬまで分からないんだってさ
一喜一憂してても仕方がない。棺桶の釘を打たれるまで、何が起こるかなんて分からないよ
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