記事概要 現状、学校教育には様々な課題があります。教員の労働時間はなかなか短くなっていません。今回は、教員の長時間労働は管理職が原因ということを説明します。
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部活動を顧問できる教員がいなくなったらすぐに廃部させる
部活動の指導をできる教員がいなくなったら、専門的な知識を持つ教員がその部活動を担当できなくなったら、その部活動は廃部にするべきです。運動場などで、専門性の高い活動に対する適任者がいなければ、いざというときに責任を負えなければ、適切な処置ができない可能性が高いからです。たとえば、野球経験のない教員が野球部を担当して、熱中症やケガや事故により適切な対応ができず、子どもが死亡したり子どもに後遺症が残ったりした場合、教員は責任を背負いきれません。
公立学校の教員には人事異動があります。教員が学校を移ることで、部活動の指導ができる教員がいなくなることはよくあることです。これ以外にも、もちろん退職により学校を去ることもあります。
部活動を担当していた教員がいなくなり、引き継ぐ教員がいなければ、その部活を廃部にしなければならない。担当できる人がいないのだから、これは至極真っ当なことです。それをしないで、他の教員で部活を存続させようとするから、顧問を依頼された教員が無理をすることになるのです。
管理職の迎合が原因
なぜこんなことになるのか。それは、管理職が保護者や生徒に迎合するから、本来廃部すべき部活動が存続することになるのです。「廃部にしたら子どもがかわいそうだから」「保護者に強い支持があるから」といった理由で、顧問となる教員を無理に探すことになります。
部活動指導員頼りといういびつな形で部活動を存続させ、顧問候補の教員への「部活動指導員に指導してもらうから、顧問は何もしなくてもいい」なんて言葉は、真っ赤な嘘です。トラブルが起きれば責任は顧問に来ますし、部活動中には、基本的に教員が付き添わなければなりません。部活動指導員がいようとも、責任は重く、教員の労働時間自体はさほど変わりません。
こういう現状や課題を知りながら、管理職によっては、経験のない教員に部活動を顧問させようとします。全ての教員を、何らかの部活動の顧問にさせるために、『教員は何かしらの部活動の顧問にならなければならない』というような風潮を、暗黙の了解を管理職は作ったりします。部活動をやりたくない教員もいるのに、公立学校教員の9割以上が未だ部活動の顧問をしているのは、こういった理由からです。「部活動の顧問は、必ずしも教員の仕事ではないから、やらなくてもいいよ」なんてことを管理職は絶対に言いません。ちなみに、「教員は部活動の顧問を務めなければならない」という文言を条例に含めている区市町村もあります。
部活動が管理顧問で問題ないのであれば、「お前ら管理職がやれよ」って話です。自分ができないからって、部下の教員に仕事を押し付けるな、ゲボゴミムシども、と管理職には言いたいところですね。「顧問できる教員がいないので廃部にする」と言えばすむ話を、教員に無理を押し付け結果が、教員の長労働時間の一因になっています。
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