「上野」や「浅草」という世界に名だたる2大観光名所を擁する台東区。しかし、昭和22年に、つまり、第2次世界大戦後に東京市下谷区と東京市浅草区が合併して台東区が誕生したことは、知られているようであまり知られていません。また、上野地区(といってもどこからどこまでか、その範囲は説明しにくい)が寛永寺の門前町として、また、浅草地区が浅草寺の門前町として発展し、老若男女の人気を集めたことも、知られているようであまり知られていません。
さて、「下谷区と浅草区が合併して」と紹介しましたが、その面積は10.11㎢と東京23区で最小です。台東区では、その成立とともに、上野中学を始めとして13校の区立中学校が誕生しましたが、統廃合の歴史は古く、昭和25年(1950年)に西町中と竹台中が合併して東叡中が創立されたことを始めとします。その後、平成14年(2002年)に下谷中と竜泉中が合併した柏葉中と、蓬莱中と今戸中が合併した桜橋中が新設され、それ以来現在の7校体制となりました。浅草橋にあり、「台東区の学習院」と言われた福井中の名も今はなく、上野中と駒形中と、根岸中を統合した忍岡中のみが昭和22年の創立時の名前と歴史を保っています。校舎や体育館の冷房化等、各学校とも施設や設備の快適化が図られていますが、校庭がやや狭いという都心区特有の悩みがあります。
なお、台東区でも学校自由選択制が実施され、中学校の受け入れ上限人数は、浅草中を除き各校一律で148名。しかし、どの中学校も評判が良いからか、あるいは、区立中への進学を希望する児童が少ないからか、令和2年度に上野中学への入学希望者に行われた以外、幸か不幸か抽選は実施されていません。
「寺子屋」と独自に名付けた放課後の自主学習時間を設け、学力向上に取り組んでいる学校もありますが、文部科学省が実施する「全国学力・学習状況調査」の結果を見ると、小学生の平均点は良好なものの、中学生のそれはあまり振るわないという噂(?)があります。成績上位の児童が私学に流れているため、結果として中学校の学力は平均化されているという話もありますが、真相は不明です。
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