記事概要 東京都の教員採用試験の、1次試験で受験生が書いた論文を採点する「採点者」について説明します。
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今回の記事は、東京都の教員採用試験の論文の概要を知っていないと理解できない内容ですので、今回の記事を読み進めて理解できないと思った読者は、東京都の教員採用試験の論文の概要の記事を読んできてください。
どんな人が採点者なのか
受験生が東京都の教員採用試験の1次試験で書いた論文は、東京都の教育委員会から委嘱された公立学校の校長が採点します。小学校の校長は、小学校教員を志望する受験者の論文を採点し、中学・高校の校長は、中学・高校の教員を志望する受験者の論文を採点します。
採点者の採点スケジュール
一部の東京都の校長は、毎年5月前後に、東京都教育委員会から、教員採用試験の受験生の論文の採点を依頼されます。この依頼を引き受けると校長は、教員採用試験の1次試験が行われる7月過ぎに、東京都教育委員会(新宿)にて、論文を引き取ります。合格発表までのタイムリミットがある関係で、校長は主に2週間ほどで全ての論文の採点を行います。採点終了後、東京都教育委員会(新宿)に受験生の論文の返却を行います。
論文の採点について・採点基準・採点の裏側
論文は一般的に、10点満点で評価されます。しかし、受験生10点満点を狙ってはいけません。というよりも採点者側からすると、10満点の論文を書いてくる受験生などめったにいないのです。
少なくとも、論文の原稿用紙の最低限9割は書けていないと話になりません(もちろん本気で合格を目指しているのなら10割を目指しましょう)。
しかしながら、受験生の1~2割は、論文の字数制限をクリアできていません。教員採用試験の論文試験で、指定語以上の論文を書けていなければ、即刻不合格になります。気をつけましょう。
採点は相対評価です。校長が採点する論文全体のレベルが低ければ、下手な論文でも高評価につながることがあります。
採点者は最終的に上位何%、中位何%、下位何%というようになるように、採点を行います。全ての論文の採点を行い、基準に合った人数の割合に合わせるのが採点者の仕事です。
採点者は、同じ校種の受験生の論文の採点を行います。受験生の教科が国語であれば、他の国語の受験生との比較となります。
採点者は一部の校長ですが、ほとんどはかつて教員として教科を指導していた人です。中高の管理職(採点者)であれば、特定の教科を指導していたはずですが、かつて指導していた教科の論文を採点するとは限りません。ゆえに、数学の教員志望の受験生の論文が、元数学教師に論文を採点してもらえるとは限りません。
管理職には論文を採点する際に、採点する用のおおまかな説明書が配布されます。しかし、管理職ごとに、採点基準の個人差があるでしょう。つまり、どれだけいい論文を書けたとしても、採点者の基準が厳しければ多少作文の点数が下がる可能性があります。ここでもある程度、運の要素は必要になってくるということです。
東京都の教員採用試験の論文では、誤字脱字が3つ以上あると、1点減点になります。もちろん、誤字脱字はないに越したことはありませんが、うろ覚えの漢字はひらがなで書くことをお勧めします。印象が多少悪くても、減点はされません。
総括
このような結果、全体の平均点は5点前後になるのです。目標最低点は7点です。7点取っていれば、大多数の受験生よりもイニシアティブをとることができます。相当よく論文が書けていて8点が取れるといったところが妥当なところでしょう。
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