令和6年度東京都教員採用試験 教職教養問題及び解説③ 問11~15 令和6年度東京都公立学校教員採用候補者選考 (7年度採用)

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記事概要 令和6年度の東京都公立学校教員採用試験{令和6年度東京都公立学校教員採用候補者選考 (7年度採用)}の教職教養の問題解説をしていきます。けれど、間違った解説もあるかもしれませんので、鵜呑みするのは避けたほうがいいと思います。なお、間違った解説につきましては、発見次第、私Garudaに教えていただけると幸いです。

参考
教職教養の問題はこちら

https://www.kyoinsaiyopr.metro.tokyo.lg.jp/pdf/exam/mondai00.pdf

教職教養問題の答えはこちら

https://www.kyoinsaiyopr.metro.tokyo.lg.jp/pdf/exam/seito00.pdf

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問11

 我が国の近代における教育制度に関する記述として適切なものは、次の1 〜5 のうちのどれか。
1 教育令は、1872年に公布され、全国を8大学区、各大学区を32中学区、各中学区を210小学区に分けた。
2 学制は、1879年に公布されたが、児童の就学義務が緩和されたことで、児童の就学率が低下した。
3 実業学校令は、1886年に、森有礼によって学校種別にそれぞれの学校令が制定されたもので、帝国大学令、師範学校令、中学校令、小学校令がある。
4 諸学校令は、1899年に公布され、実業学校の種類を工業学校・農業学校・商業学校・商船学校・実業補習学校の5種類とした。
5 国民学校令は、1941年に公布され、小学校の名称が国民学校に改められた。

答えは5です。
解説 難しいですが、教育史の問題ですので、正解してほしい問題です。

問11の選択肢の解説

1 1872年に公布されたのは「学制」であり、全国を8大学区、各大学区を32中学区、各中学区を210小学区に分けるという内容です。

2 1879年に公布されたのは「教育令」であり、これにより就学義務が緩和され、就学率が低下したことが指摘されています。

3 1886年に制定されたのは「学校令」であり、森有礼によって帝国大学令、師範学校令、中学校令、小学校令が制定されましたが、実業学校令は含まれていません。

4 1886年に制定されたのは「実業学校令」であり、工業・農業・商業・商船・実業補習学校の5種類の実業学校を規定しました。

5 国民学校令は第二次世界大戦下の1941年に公布され、小学校の名称が国民学校に改められました。この記述が正確です。

問12

学習指導の方法に関する記述として適切なものは、次の1 〜5 のうちのどれか。
1 ディベートとは、集団思考法の1つで、他人のアイディアについて評価・批判しない、自由奔放なアイディアを尊重する、アイディアの量を求める、他人のアイディアの結合と改善をすることを原則とするものである。
2 ティーム・ティーチングとは、複数の教師が分担し、児童・生徒に対して、大集団、中集団、小集団、個別というように学習集団を必要に応じて弾力的に編成し、指導を行うものである。
3 CAIとは、基本単位、構成単位の意味で、15 〜 20分前後を基本授業単位として、その組合せによって時間割を柔軟に編成しようとするものである。
4 モジュールとは、コンピュータを利用する教授システムのことであり、一人一人の学習者がコンピュータで提示されるプログラム化された教材に応答しながら、個人のペースで学習を効果的に進めていくものである。
5 ブレーンストーミングとは、論理的思考力とコミュニケーション・スキルの訓練を目的とする討論のゲームである。論題の存在、肯定側・否定側の立場の固定化、ルールの存在、審判の判定などの特徴がある。

答えは2です。
解説 ティーム・ティーチングがなんなのか分かれば、すぐに解ける問題です。

問12の選択肢の解説

1 これはブレーンストーミングの説明です。ディベートではありません。

2 ティーム・ティーチングの特徴を正確に述べています。複数の教師が協力して、様々な規模の学習集団を柔軟に編成し指導を行う方法です。

3 これはモジュール学習の説明です。CAI(Computer Assisted Instruction)ではありません。

4 これはCAI(Computer Assisted Instruction)の説明です。モジュールではありません。

5 これはディベートの説明です。ブレーンストーミングではありません。

問13

「使命を全うする!〜教職員の服務に関するガイドライン〜子供たちのために 自分のために家族のために」(東京都教育委員会 令和6年4月(改訂))の「子供たちや自分を守る、具体的な行動を考えよう」の「体罰」の「具体的な行動」に示された事項として適切でないものは、次の1 〜5 のうちのどれか。

1 児童・生徒に対して、何について、なぜ指導するのかを説明する必要はなく、長時間にわたる正座や起立等を行わせ、児童・生徒が自らの非を認識し、指導を聞き入れ、反省する態度を示すことができるような指導を行う。
2 他の児童・生徒がたたかれているのを見て育った者は、教員はたたいて指導するものであるという誤った指導者像を植え付けられることから、体罰を受けた者が、再び体罰を行う側に立つという体罰再生産の負の連鎖を断ち切る。
3 児童・生徒の問題行動を指導する場面では、感情の高ぶりにまかせることなく、言葉によるコミュニケーションを通じて冷静に指導する。
4 学校として、生活指導や部活動指導(外部指導員による指導を含む)を組織的に行う体制を作る。
5 児童・生徒の問題行動について、校内の教員で情報を共有し、組織的な対応を実施するとともに、必要に応じて、外部の専門家・専門機関や保護者と連携し、体罰に頼らない対応を行う。

答えは1です。
解説 日本語の問題ですね。どう考えても選択肢1がおかしいとわかる問題です。

問13の選択肢の解説

1 これは体罰に該当する行為を推奨しており、ガイドラインの趣旨に反します。長時間の正座や起立は体罰であり、適切な指導方法ではありません。

2 体罰の負の連鎖を断ち切ることは、ガイドラインの趣旨に合致しています。

3 感情的にならず、冷静に言葉でコミュニケーションを取ることは、適切な指導方法です。

4 組織的な指導体制を作ることは、体罰を防ぐための重要な方策です。

5 情報共有、組織的対応、外部との連携は、体罰に頼らない適切な指導方法です。

問14

    

次の記述ア〜エは、それぞれ「生徒指導提要」(文部科学省 令和4年12月)に示された「生徒指導の4層」の「発達支持的生徒指導」、「課題未然防止教育」、「課題早期発見対応」、「困難課題対応的生徒指導」のいずれかの内容に関するものである。ア〜エと、下の生徒指導の4層A〜Dとの組合せとして適切なものは、下の1 〜5 のうちのどれか。

ア 全ての児童生徒を対象に、生徒指導の諸課題の未然防止をねらいとした、意図的・組織的・系統的な教育プログラムの実施であり、具体的には、いじめ防止教育、SOSの出し方教育を含む自殺予防教育、薬物乱用防止教育、情報モラル教育、非行防止教室等が該当する。
イ 特定の課題を意識することなく、全ての児童生徒を対象に、学校の教育目標の実現に向けて、教育課程内外の全ての教育活動において進められる生徒指導の基盤となるものである。
ウ 課題の予兆行動が見られたり、問題行動のリスクが高まったりするなど、気になる一部の
児童生徒を対象に、深刻な問題に発展しないように、初期の段階で諸課題を発見し、対応する。
エ いじめ、不登校、少年非行、児童虐待など特別な指導・援助を必要とする特定の児童生徒を対象に、校内の教職員だけでなく、校外の教育委員会等、警察、病院、児童相談所、NPO等の関係機関との連携・協働による課題対応を行う。

A 発達支持的生徒指導 
B 課題未然防止教育 
C 課題早期発見対応
D 困難課題対応的生徒指導

1 ア-A イ-B ウ-C エ-D
2 ア-A イ-B ウ-D エ-C
3 ア-B イ-A ウ-C エ-D
4 ア-B イ-A ウ-D エ-C
5 ア-C イ-A ウ-B エ-D

答えは3です
解説 まず、1~5の選択肢を見ると、アとの組み合わせはAとBが2、Cが1、Dは0であることから、
  アーC、アーD(この選択肢はありませんが)ではないことが予想されます。そこで、アーAとアーBに注目し、内容の妥当性を探れば、正答に近づくことができるということです。

問14の選択肢の解説

ア これは「課題未然防止教育」に該当します。全ての児童生徒を対象に、課題の未然防止を目的とした教育プログラムを実施することを指しています.

イ これは「発達支持的生徒指導」に該当します。特定の課題を意識せず、全ての児童生徒を対象に、教育活動全般を通じて進められる生徒指導の基盤です.

ウ これは「課題早期発見対応」に該当します。問題行動のリスクが高まっている一部の児童生徒を対象に、早期に課題を発見し対応することを目的としています.

エ これは「困難課題対応的生徒指導」に該当します。特定の児童生徒を対象に、関係機関との連携を通じて困難な課題に対応することを指しています.

したがって、適切な組み合わせは選択肢3です。

問15

文部科学省が作成した「キャリア教育の手引き」に示されたキャリア教育の推進に関する記述として適切なものは、次の1 〜5 のうちのどれか。
1 校長は、自校のキャリア教育の目標や教育内容、実践状況について、学校便りやホームページ等により積極的に外部に情報発信し、広く協力を求めることが大切である。
2 「キャリア・パスポート」とは、小学校入学から高等学校卒業までの記録を蓄積する前提の内容ではないので、学年、校種を越えてもち上がることができないものである。
3 キャリア教育に関する校内研修は、全教師が一堂に会して実施する方法がある。このとき、学年・学科単位や課題別グループ単位等の少人数で実施してはならない。
4 全教職員で実践状況を紹介し合い、互いに学び合うことを内容としたワークショップを行うことは、学校全体の学習状況の理解を深めることにはなるが、教職員の協同性を高めることにはつながらない。
5 キャリア教育の目標が達成できるように、キャリア教育の担当教員のみが全体計画を作成し、円滑に実践していく校内推進体制を整える必要がある。

答えは1です。
解説 基本的に「なんでこの文章は否定的なの?」と思う内容はだいたい不正解です。

問15の選択肢の解説

1 キャリア教育の推進には、学校と地域社会との連携が重要です。校長が積極的に情報発信を行い、外部からの協力を得ることは、キャリア教育の充実につながります。

2 「キャリア・パスポート」は、小学校から高等学校までの学びの記録を蓄積し、校種を超えて持ち上がることを前提としています。これにより、児童生徒の成長の過程を長期的に見守り、支援することができます。

3 キャリア教育に関する校内研修は、全教師が一堂に会して実施する方法もありますが、学年・学科単位や課題別グループ単位等の少人数で実施することも効果的です。状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。

4 ワークショップを通じて全教職員が実践状況を共有し、互いに学び合うことは、学校全体の学習状況の理解を深めるだけでなく、教職員の協同性を高めることにもつながります。

5 キャリア教育は学校全体で取り組むべきものです。全体計画の作成は、キャリア教育の担当教員だけでなく、全教職員が協力して行うべきです。これにより、学校全体でキャリア教育の目標達成に向けて取り組む体制を整えることができます。

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