障害を持つ児童・生徒の教育 個性と障害は紙一重 【教員が思っている公には言えないこと】

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記事概要 立場や時代にかかわらず、公立私立を問わず、学校の教員が思っているけど言えないことについて説明します。今回は、公立の小・中学校教員の視点から、「障害」についていろいろ書いていきます。障害をもった子が無理して通常学級に通う必要はないということ、障害があろうとなかろうと、教育はもっと融通の利くものであるべきということについて解説します。
いじめられる子といじめられない子(前回記事)はこちら

いじめられる子といじめられない子 【教員が思っている公には言えないこと】
記事概要 立場や時代にかかわらず、公立私立を問わず、学校の教員が思っているけど言えないことについて説明します。今回は、教員の視点から見た「いじめられる子」と「いじめられない子」の特徴です。いじめられる側にも非がある(前回記事)はこちらいじめ...
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簡単には説明できない「障害」

 一口に「障害」と言いますが、「障害」の実態は様々です。耳が聞こえないなどの聴覚障害やてんかん、ダウン症など多種多様な「障害」の種類があり、会話や解説において、「障害」という言葉の定義を確認しておかないと、齟齬や誤解が起きかねないほど枠の広い言葉です。「ここからが知的障害」という境界線の設定も難しく、IQにより障害の程度を判断することもできますが、IQが絶対的な指標ではありません。

 つまり、簡単に説明できないのが「障害」でしょう。

重度な障害を持つ子ども

 重度な障害の多くは、先天的なものです。盲目であったり、ダウン症であったりする児童生徒は、義務教育が始まる小学生から特別支援学校に通う場合が多く見られます。特別支援学校は様々な教育を展開しており、それぞれ生徒の障害の程度に合わせて、個別に対応した授業が行われています。

 重度な障害があったとしても、障害の状態と環境によっては通常学級に通うことも可能です。『五体不満足』を執筆して有名になった乙武洋匡さんが、その良い例でしょう。彼は先天性四肢欠損(生まれつき両腕と両脚がない)という障害をもっていますが、公立の小中高校に通い、そこを卒業しました。

判断が難しい、軽度な障害や後天的な障害

 繰り返しますが、障害といっても様々です。仮に障害を持っていようとも、肉体的にも精神的にもなんら影響のないものもあります。その一方で、成長とともに認識される障害もあります。ADHD(注意欠陥多動性障害)などが最たるものです。生活などに支障がない場合には、気にする必要のない障害もあります。軽度すぎて本人すら自覚していない「障害」もあるでしょう。

 後天的な障害といえば、視力の低下も障害と判断されてもおかしくないでしょう。しかし、眼鏡という矯正具を利用することで、十分な視力を持った人と同じように生活することができます。軽度な障害をカウントしていけば、人類誰しも何かしらの障害を持っている、人類皆障害者と言っても過言ではないでしょう。障害自体がちょっとした個性ととらえることもできるかもしれません。

アスペルガー症候群の天才型

 アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)に関しては、一定の割合で天才型の人もいます。インターネットで「アスペ 天才」や「アスペ 偉人」などと検索してみれば、いくらでも記事が出てきます。歴史を作った障害者もたくさんいるので、障害は障害の種類や程度によっては、プラスにはたらくことも多々あります。天才であるがゆえに、多少人とは異なる特性をもっている場合もありますが、それを個性ととらえれば大きな問題にはならないでしょう。

学校に固執することは時代遅れ

 時代の潮流により、世間一般でもオンライン教育に目が向くようになってきました。これからも、教育や勉強、学校の在り方はもっと変化していくはずです。障害をもつ子どもの保護者には、子どもを通常学級に通わせることに固執する親もいます。私Garuda自身、「そもそも学校に通うこと自体古い」と考える世代がいずれ出てくると確信しています。学校は勉強する場所かもしれませんが、勉強はどこでもできます。学校に通って勉強なんて、非効率的なことをわざわざする必要はないわけです。そもそも、必要がなければ勉強自体もしなくてよいのです。

 教育や勉強はもっと自由であっていいはずですし、もっと柔軟であるべきです。障害があろうとなかろうと、子どもの意思を尊重し、子どもの個性に合った教育が求められる時代になるはずです。
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