記事概要 立場や時代にかかわらず、また、公立私立を問わず、教員が思っていても口に出せないことを紹介します。今回は、「義務教育の入学先を判定するための『就学時健康診断』」についての解説です。以下の記事は、公言すると、PTA、人権団体、新聞等のマスコミ、評論家、教育学者などが黙っていない話なので、現役の教員は絶対に主張しない(できない)ことです。
何でもありの特別支援教育 普通学級と通常学級(前回記事)はこちら
就学時健康診断とは……法的な根拠
就学時健康診断とは、義務教育が始まる小学校入学前の子どもを対象とした健康診断です。法律上は、「市町村の教育委員会は、前条の健康診断の結果に基づき、治療を勧告し、保健上必要な助言を行い、及び学校教育法第十七条第一項に規定する義務の猶予若しくは免除又は特別支援学校への就学に関し指導を行う等適切な措置をとらなければならない、
参考
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=333AC0000000056
子どもの就学先を決定するのは、区市町村教育委員会です。就学時健康診断では、子どもの健康上の諸問題を診るだけでなく、障害のある子どもの状況を、行動観察等で正しく把握します。
就学先を事実上決定しているのは
小学校にあがる子どもが、通常学級、特別支援学級、特別支援学校のいずれかに就学するのが適切かを判断決定するのは区市町村教育委員会です。しかし現状では、保護者の判断が最優先されています。つまり、就学時健康診断で「特別支援学校適」と判断しても。通常学級への就学を保護者が希望すれば、子どもは通常学級に通うことになります。区市町村教育委員会や就学時健康診断は、今や無力化してしまったということです。
しかし、学年が上がるにつれ、主に学習の課題で通常学級から特別支援学級に変更するケースがあります。この場合、特別支援学級が併設されていなければ、児童は転校することになります。
あの子はどこに
障害のある子どもの保護者には、俗にいう「クレーマー」という人がいます。好き勝ってというかわがまま放題というか、横車を押すというか、区市町村教育委員会が抑止力とならないため、学校現場が混乱し、受け入れ先の学校の負担が増すことがあります。
障害のある小学6年生が中学校にあがる際にも、一人一人が通常学級、特別支援学級、特別支援学校のいずれに就学するのが適切かを区市町村教育委員会が判断します。就学先の判定会議には、特別支援学級を設置する学校の校長や教員も出席しますが、結果を受けた保護者がどのような判断や選択をしたかは、受け入れ当事者となる中学校には伝わってきません。
さて、2学期末には翌年度の入学予定者名簿が中学校に届きますが、「特別学級適」とされた児童名が見つからないことがあります。保護者が「クレーマー」である場合、他校に入学してくれれば万々歳ですが、気を付けないと「通常学級」で入学手続きされていることがあります。
特別支援学級に在籍していた子どもの就学先を、保護者のエゴで通常学級にしてしまってよいものでしょうか。
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