記事概要 今日の学校において、不登校になる子どもが増えています。しかし、「不登校」自体をネガティブに考えることは間違っています。今回は、不登校を極端にネガティブなものとしてみなしている文部科学省・教育委員会による調査について解説していきます。
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文部科学省・教育委員会による調査と報告
学校には、文部科学省や都道府県や区市町村の教育委員会からさまざまな調査が寄せられ、短期間での報告や回答が求められます。調査の中には、区市町村議会や都道府県議会、またはそれらに属する議員による命令かと思われる、調査する理由さえ全く理解できないものがたくさんあります。
突発的で「至急」の意味不明な調査の一例では、使用目的も知らされないまま、学校内の蛍光灯の総数を尋ねるものがありました。議員による思い付きの質問への答弁か何かに必要だったのでしょうか。校門から屋上まで急ぎ見て回り、学校中の蛍光灯の数をカウントし回答しましたが、今考えても蛍光灯を数える必要性を理解できない、意味のわからない調査でした。
長期欠席と不登校
文部科学省による定期的な調査の一つに、「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」があります。本題からは外れますが、お役所はどうしてこのような長々とした表題を好むのでしょうか。ちなみに学校現場では、「問行調査」と短縮して呼びならわしています。
さてこの調査では、学校内で発生した暴力行為やいじめなどを始めとして、自殺を含む多岐にわたる問題や課題の発生件数を報告します。その調査項目に、「小学校及び中学校における長期欠席の状況等」があります。「長期欠席」を文部科学省は、「『欠席日数』と『出席停止・忌引き等の日数』の合計が30日以上であること」と定義しています。
そして、長期欠席の理由として、「病気」「経済的理由」「不登校」「新型コロナウイルスの感染回避」「その他」という5つの区分が示されています。この基準に従えば、「不登校」は「長期欠席」の一要素ということになります。なお、「不登校」の具体例として、「友人や教職員との関係」「非行グループに入っていること」「無気力でなんとなく登校しない」「漠然とした不安から登校しない」などが示されています。
つまり、ごく当たり前のことのようですが、「不登校」を特別視する必要はなく、長く学校を休んでいる状態ととらえればいいということです。
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