隅田川と荒川(放水路)に挟まれ、東京湾に面する江東区。江戸時代に干拓された地に人が移り住み、富岡八幡宮や亀戸天神を中心に発展してきましたが、昭和30年代には都内で発生するごみの埋め立てによる、異臭やハエの大量発生が原因の「東京ゴミ戦争」が話題となりました。しかし、その地は「夢の島」と名付けられ、今はスポーツや行楽の地となっています。さらに、有明や青海地区などの新たな埋め立て地が、オシャレな「東京臨海副都心」として注目を集めるなど、江東区は今なお人口や面積が増加しつつある区です。
さて、明治11年に成立した深川区と、昭和7年に誕生した城東区とが合併して誕生した江東区ですが、区立中学は深川地区に第一中から第四中まで4校、亀戸地区、砂町地区に1校ずつ開設されました。その後、年を追うごとに中学校が新設されましたが、深川地区では深川五中(略してフカゴ)のように地名の後にナンバーが、他地区では第二亀戸中(略してニカメ)など、なぜかナンバーの後に地名を付けた命名となり、平成23年に開校した有明中で23校体制になりました。
江東区では、「スタンダード」という名称で区内の小・中学生に身につけさせたい学習内容を平成24年に策定し、令和元年からは、「こうとう学びスタンダード(ネクストステージ)」として、「学び方」「体力」「国語」「算数」「数学」「英語」「就学前教育」という7種のスタンダードを基にした教育活動が行われています。ほとんどの中学校のホームページで「スタンダード」という語が見受けられますが、「全ての子どもたちに、確実に」という理念は立派なものの、「相似比を用いて線分の長さを求める」や「英語で江東区について伝えることができる」などのレベルとなると、「全ての」や「確実に」は難しいかもしれません。
なお、平成30年に有明西学園という小・中一貫校の義務教育学校が開校しました。小学校に該当する区分を「前期課程」、中学校に該当するそれを「後期課程」と呼びますが、小学5・6年生では、中学校と同じく50分授業を実施します。また、小学校でも教科担任制と取り入れるなど、今後の義務教育のモデルとなるかもしれません。
品川区の教育事情……品川教育ルネサンス -For The Next Generation- はこちら
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