記事概要 先日、中国の深圳の日本人学校に通う生徒のいたたまれない事件がありました。被害に遭われた児童ならびにご遺族の皆さまに、心よりご冥福をお祈りいたします。この事件のために私Garudaにできることはあまりありませんが、海外の日本人学校の生徒についての理解が深まるような文章を書いていきます。
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義務教育の年齢で、海外に暮らす日本人児童・生徒を対象とした学校(在外教育施設)に、日本人学校と補習授業校(補習校)があります。簡単に説明しますと、日本人学校は授業内容から学校行事まで、国内の小・中学校とほぼ同じ学校で、補習授業校は平日の放課後や土曜・日曜に国語や算数・数学を主に学ぶ学校です。
一口に「海外」といっても、先進国から発展途上国までさまざまですが、バルセロナ日本人学校やパリ日本人学校に通う児童・生徒が恵まれた生活を送っているわけではありません。食を始めとする生活様式から言語、文化、宗教など、日本との違いや隔たりは大きく、学校と家で過ごす以外は外出しない、または、できないという生活を送る児童・生徒もいます。ノイローゼやホームシックとなる大人も少なくありません。
さて、日本人学校で学ぶ児童・生徒には、保護者の仕事の関係で転校経験者が多く、転出入も頻繁です。小学校または中学校の入学から卒業まで在籍する児童・生徒は少数です。中には、ある日本人学校で同級生だった児童が、別の日本人学校で同級生となるというケースもあります。他者の立場を思いやり、自然に受けいれる心の準備が整っているのか、いじめや仲間外れや暴力行為はまずありません。つまらぬ生活指導はほぼ不要ですから、教師にとっても好ましいといえます。
日本人学校や補習校への通学は、交通網の発達した都市部は別として、スクールバスや自家用車によるものがほとんどです。しかし、自家用車通学の生徒が襲われ、車が奪われるなどの極端なケースがあります。また、治安や交通マナーの違いもあって、徒歩や自転車での通学はほとんどありません。
先日、中国の深圳で、日本人学校に通う児童が保護者の目前で襲われ、亡くなるという事件か起こりました。徒歩での登校のようでしたので、治安に不安は無い地域かもしれませんが、一瞬で命を奪われた罪のない10歳の無念や、母親の悲痛を思うと、掛ける言葉がありません。人の命を敬う思いや人を思いやる心は無かったのかと、犯人に強く訴えたいところです。
日々さまざまな事件や事故が起こるため、この事件は忘れ去られてしまうかもしれません。ただただご冥福をお祈りするばかりです。
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