記事概要 保護者や生徒、若手の教員が、所属する学校の教員の資質を測るための、教員の評価基準を書いていきます。所属する学校の教員に対して懐疑心を抱いたとき、「この教員は大丈夫なのか」「この教員の指導力は十分なのか」と思った時、信頼に値するような教員なのかを測る参考にしてください。今回は、国語科教員の資質及び評価基準について書いていきます。
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1 国語科の教員の基礎基本が身についているか
その1 常用漢字についての知識が十分か
中学、高校の国語科教員であれば、漢字に関しては漢字検定2級以上の力で十分です。ただし、大切なことは漢字に関する知識の正確さです。
例えば、「君たち」を「君達」と、「たとえる」を「例える」と書いたり、「つらい」を「辛い」と板書したりしていたら、常用漢字を正しく理解していないかもしれません。
ちなみに上記の理由を解説すると、「達」という漢字には「たつ」という読み方しかありません。「辛」という漢字には、「シン」という音読みと「から(い)」という訓読みしかありません。国語を指導する専門家としては、不可欠です。
その2 表記についての知識が十分か
国語科の教員だからと言って、表記に精通しているわけではありませんが、表記の手引き等で、自身の誤りや勘違いを常に確認することが大切です。
例えば、「少しずつ」を「少しづつ」、「いちじるしい」を「いちぢるしい」と書き表したり、「的を射る」を「的を得る」、「押しも押されもせぬ」を「押しも押されぬ」と話したりしていたら、表記を正しく理解していないかもしれません。
その3 送り仮名や記号(符号)についての知識が十分か
「落ちる」を「落る」、「浮かぶ」を「浮ぶ」と書くようでしたら、送り仮名の決まりを正しく理解していないかもしれません。また、「・(なかぐろ)」と「……(三点リーダー・てんてん)」の違いを説明できなかったら、記号(符号)の使い方を正しく理解していないかもしれません。
その4 敬語の用法と知識が十分か
相手の許諾の無いままで「させていただきます」と話したり、「とんでもございません」とこたえたりしていたら、敬語の用法を正しく理解していないかもしれません。また、何かにつけて「大丈夫ですか」と発言していたら、国語の能力は大丈夫ではないかもしれません。
2 教科書を教えることに終始していないか。指示や指導無く、生徒に創作させていないか。
・教科書を教えるか、教科書で教えるか
教科は、教科書と評価・評定があって「教科」と認められますが、教材を教えることに必死な教員はいませんか。生徒が理解したかどうかが気がかりで、「分かりましたか」を連発するようでしたら、講義型の一方通行の授業しかできないかもしれません。
・行事に絡めて俳句や作文を課していないか
俳句や作文といった創作活動は、丁寧で的確な指導があって作品となるものです。5・7・5の17文字で詠むことができるからといって、修学旅行や移動教室などの学校行事に絡めて俳句などを安易に課題とすると、生徒は創作するより提出することに重きをおきがちです。国語科の教員として、表現の指導を軽視しているか、甘く見ているのかもしれません。
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