記事概要 341ページからなる、『令和7年度 東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目』(都立入試実施要綱)という、A4版の分厚い冊子があります。都立高入試に向かうには、これを精読する必要がありますが、一人で読んで容易に理解できるものではありません。なお、実施要綱は、東京都教育委員会のホームページで閲覧することができます。さて、東京都は、自分を日本の中心と妄信するためか、東京都警察本部を「警視庁」としたり、東京都教育委員会事務局を「東京都教育庁」と名付けたりします。東京都立高校入試についても、「入試」とは言わず、「入学者選抜」と言い、また、入試は試験ではなく「検査」である、「受験」ではなく「受検」だとします。今回は、「受検」にまつわる「内申点」について解説していきます。
調査書(内申書)と内申点
学力検査の出願には、入学願書、推薦書に加えて、調査書(内申書)などの書類が必要です。都立高校の学力検査では、内申点が合格・不合格の判定に使われます。
調査書を簡単に説明すれば、受検者に関するさまざまな事実や実態を、校長が事実と報告した文書ということです。調査書の体裁は教育委員会や高校によっていろいろで、記入しなければならない内容もさまざまですが、最近は簡素化が進んでいます。なお、「都立入試実施要綱」の292ページに都立高校に提出する調査書が示されています。その昔、「調査書が悪くなる」や「調査書に響く」というような誤解を耳にすることがありましたが、それは誤りです。
さて、調査書内のある記載内容を点数化したものが内申点です。東京都では、中学3年生の2学期末の5段階からなる評定(数字)を、定められた式で計算し、得られた数字を調査書点(内申点)としています。その算出方法は、「都立入試実施要綱」の103ページに示されていますが、具体的には次のとおりです。
国語・数学・英語・社会・理科の5科目試験の場合は、まず、5科それぞれの評定(数字)をそのまま合計します。続いて、実技教科と呼ばれる音楽・保健体育・技術・家庭・美術の評定(数字)を合計し、それを2倍します。計算で得られた2つの数字を合計したものが、調査書点(内申点)です。したがって、すべての教科の評定が「5」である場合は、5科目の合計が5×5で25、4科目の合計が(4×5)×2で40ですので、調査書点(内申点)の最大は65点です。
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