部活動と軍隊の関係について 【これからの部活動】【なぜ体罰はなくならないのか】

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記事概要 現状、学校教育には様々な課題があります。部活動のせいで教員の労働時間はなかなか短くなっていませんし、体罰はなかなか0にならないです。今回は、体罰の原因にもなっている日本の部活動において、軍隊で行っていた体罰教育が浸透してしまった原因を、歴史的な観点から考察します。
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教員の部活動による長時間労働は管理職が原因 【これからの部活動】
記事概要 現状、学校教育には様々な課題があります。教員の労働時間はなかなか短くなっていません。今回は、教員の長時間労働は管理職が原因ということを説明します。 前回記事はこちら 部活動を顧問できる教員がいなくなったらすぐに廃部させる  部活動...
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軍隊教育

 明治維新後、近代国家の建設を志す明治政府は、西洋の軍隊をモデルにした教育制度を導入しました。その中で、体罰は「規律を守らせる」「精神力を鍛える」という目的で、軍隊教育の重要な手段として位置づけられました。また、明治期には、軍事教育が国民教育の重要な部分を占めていました。学校教育においても、体罰は「国民の士気を高める」「国防力を強化する」という目的で、広く行われるようになりました。

 第二次世界大戦後、GHQの占領政策によって、軍隊教育は廃止されました。しかし、戦前の教育で黙認されていた体罰の伝統は、戦後の学校教育に残り続けました。学校教育における体罰は、当初は、教師が生徒を叱責したり、注意したりするための手段として行われていました。しかし、次第に、生徒の指導や教育のために不可欠なものと考えられるようになり、体罰が常態化しました。

 また、軍隊での体罰は、部活動にも浸透しました。軍隊の訓練に似た厳しい訓練を部活動で課すことで、生徒を強い精神力と体力を持った人材に育てるという目的がありました。そのため、部活動においても、体罰は指導や教育の一環として行われるようになりました。

戦後の思想と教育

 戦後、日本社会は急速な経済成長を遂げました。この中で、学校教育は、経済成長を支える人材を育成する機関として、重視されるようになりました。体罰は、指導者の権威を示すものとして、また、部活動の目的である勝利を追求するための手段として、容認されるようになりました。

 また、戦後、日本は高度経済成長期を迎え、競争社会が形成されました。部活動は、生徒の競争心を刺激し、社会で活躍できる人材を育成する場として、注目されるようになりました。その中で、体罰は、生徒を鍛え、競争に勝つための手段として、正当化されるようになりました。

 このように、日本の部活動における体罰は、明治期の軍隊教育の影響を受け、戦後も継承されてきたと考えられます。そして、戦後の経済成長や競争社会の形成によって、体罰が容認され、浸透するようになったと考えられます。

総括

 近年、部活動における体罰が問題視され、文部科学省は、体罰の禁止を明確に示す指針を策定しています。しかし、部活動における体罰は依然として根強く残っており、その根絶には、教育現場の意識改革や社会の理解が不可欠であると考えられます。

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