記事概要 現状の学校教育には、様々な課題があります。たとえば、教員の労働時間はなかなか短くなりません。中学校や高校において、教員の長時間労働の原因の一つは部活動です。これからの教員の働き方を考えるうえで、部活動をどうすべきかについて解説していきます。今回は、部活動地域移行のメリットを解説していきます。
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部活動地域移行とは
部活動地域移行とは、学校の部活動を地域のスポーツクラブや文化団体に移行することです。教員の長時間労働の解消ため、部活動地域移行という提案がなされました。部活動地域移行のメリットとして挙げられるものには、以下のようなものがあります。
スポーツの掛け持ちがしやすくなる
学校の部活動では、スポーツ部の兼部が認められず、一つの種目に専念することが多いものですが、地域移行となれば、自分の興味や能力に合わせて、複数のスポーツを楽しむことができます。例えば、サッカーとバスケットボールを同時に習うことが可能です。
参加大会が増える
学校の部活動では、学校間や学区間の大会にしか参加できませんが、地域移行では、市内や県内、全国や国際的な大会にも出場するチャンスが増えます。これは、自分の実力を試すだけでなく、様々な人と交流する機会にもなります。
上下(先輩後輩)関係が良好になる
学校の部活動では、先輩や後輩間の上下関係が理由もなく厳しく、パワハラやイジメなどの問題が起こりやすいものです。しかし、地域移行では、年齢や学年に関係なく、同じ目標を持つ仲間として活動することができます。これには、自分の意見を言いやすくしたり、自己肯定感を高めたりする効果があります。
指導者が変わりにくくなる
学校の部活動では、教員が指導者として担当することが一般的ですが、教員は異動や退職などで頻繁に変わります。結果として、部員や指導者の信頼関係を損ねたり、指導方針の不一致を引き起こしたりするリスクがあります。しかし、地域移行であれば、専門的な指導者や経験豊富なボランティアが長期的に指導することができます。これにより、安定した指導環境を提供できたり、技術や技能の向上を促したりする効果が見込めます。
専門的な指導を受ける機会が広がる
前述したように、学校の部活動では、多くは教員が指導者ですが、教員は必ずしも担当する種目の専門家ではありません。また、公立学校では、設備や予算も限られています。しかし、地域移行では、プロや元選手などの専門的な指導者やコーチから直接教えてもらうことができます。また、地域の施設や資材を利用することもできます。これは、より高度な技術や知識を身につける機会になります。
教員のプライベートの時間が増える
部活動の顧問を務める教員は、授業などの本来の職務に加え、部活動の指導や管理に多くの時間を費やしています。結果として、教員の負担やストレスを増やしたり、教育の質を低下させたりする可能性があります。しかし、地域移行が進めば、教員は部活動に関与する必要がなくなり、勤務時間を有効に使うことができます。これにより、教員のワークライフバランスを改善したり、教育研究や自己研鑽に取り組んだりする効果に繋がります。
教員のストレス軽減
学校の部活動の顧問教員は、生徒の指導や管理で様々な問題に直面することがあります。例えば、部員や保護者とのトラブル、部活動と授業の両立、部活動に関する法律や規則の遵守などです。これらの問題は、教員のストレスや不満を引き起こす原因になります。しかし、地域移行では、教員は部活動に関する責任や義務から解放され、ストレスを軽減することができます。
総括
以上のように、部活動地域移行は、教員の働き方改革や生徒の多様なニーズへの対応など、さまざまなメリットが期待されます。しかし、デメリットについても十分に理解した上で、地域の実情に合わせた取り組みが求められます。
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