記事概要 一教員として、PTAに感謝する思いを具体的にお話しします。
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中学生の職場体験
中学生の職場体験は、阪神淡路大震災で大きな被害のあった兵庫県で、1995年から「トライやるウイーク」の名前で始まりました。対象は中学2年生。現在では全国の大部分の公立中学校で実施されていますが、東京都では平成17年度から区を単位として活動が徐々に広がりました。
職場体験先の開拓
職場体験の期間に決まりはありませんが、多くは3日間か一週間で行われています。生徒一人一人の希望する職種が異なり、その全てを叶えるとなると、最大で人数分の体験先が必要となります。来賓の方々以外には地域との面識が乏しく、また、時間や人材の制約もあるため、生徒の体験先を確保することは、学校にとっては一大事でした。
体験先の開拓で力を発揮してくださった、PTAのお母さん方でした。自身の経営する店や事業所での受け入れを快諾してくださるだけでなく、行きつけの個人商店や知り合い施設や事業所に足を運び、次々と話をまとめては学校に連絡してくださいました。幼稚園、ペットショップ、豆腐屋、書店、洋・和菓子店など、PTAの支援無くして職場体験はスタートできませんでした。
職場体験への心構え
現在はサラリーマン家庭が多いため、中学生の多くには働くことの厳しさや楽しさを体験する機会が限られています。また、地元で働く方々の話を聞く機会も限られていますし、家庭で保護者から仕事の実際を聞くこともまれのようです。
そこで、自営業のPTAの方に、職場体験に向けての心構えをお話しいただきました。接客業であればお客様への挨拶から注文の受け方、お礼の伝え方からお見送りの方法などの指導を受けました。また、製造業であれば、原材料の扱い方や危機管理のポイントなどを学びました。
さらには、生徒との関係の発展として、翌年には中学三年次の高校受験の面接指導をお願いしました。どれもこれもPTAの方々に感謝するばかりです。
職場体験期間中の巡回指導
職場体験期間中には、校長、副校長はもとより、学年所属の教員は分担して体験先を毎日訪問します。しかし、一か所に長くいることはかないません。体験先の巡回にも協力してくださったのはPTAの方々でした。学校からお願いしなくても、自主的に体験先を訪問し、生徒に激励やお褒めのの言葉をかけてくださったことにも深く感謝しました。
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