記事概要 現状の学校教育には、様々な課題があります。たとえば、教員の労働時間はなかなか短くなりません。中学校や高校において、教員の長時間労働の原因の一つは部活動です。これからの教員の働き方を考えるうえで、部活動をどうすべきかについて解説していきます。今回は、部活動地域移行のメリットを解説していきます。
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部活動地域移行とは
部活動地域移行とは、学校の部活動の運営を地域のスポーツクラブや文化団体に移行することです。教員の長時間労働解消のため、部活動地域移行が提案されました。なお、部活動地域移行のデメリットでは、以下のようなものが考えられます。
指導者や受け皿の確保が容易ではない
部活動地域移行で最もネックになるのが、適切な指導者と受け皿になる団体が確保できるかということです。指導者については、地域のスポーツクラブや民間事業者などが指導者を派遣する方法が考えられます。しかし、教員の負担軽減や待遇改善を図る目的で部活動地域移行を進める場合、教員が指導者として派遣されては負担軽減にはなりません。
しかし、地域によっては、指導者の確保が難しいケースも考えられます。また、指導者の資質や経験も、地域によって差が生じる可能性があります。
受け皿についても、地域のスポーツクラブや民間事業者等の受け入れ体制が整っている必要があります。また、スポーツクラブや民間事業者の運営方針や理念と、生徒のニーズが一致しないケースもあるでしょう。
生徒の安全上の不安がある
部活動地域移行により、生徒の活動場所が学校から地域のスポーツクラブや民間事業者に移行されます。それにより、生徒の安全上の不安が懸念されます。学校の部活動では、(顧問)教員が付き添い、生徒の安全に配慮し、自校の体育館やグラウンドなどを使っての活動が行われています。
しかし、地域のスポーツクラブや民間事業者では、生徒の安全が確保できない可能性があります。また、地域のスポーツクラブや民間事業者の多くは、営利目的で活動しています。そのため、生徒の競技力向上やスポーツを通じた人間形成に重点を置くのではなく、利益を優先する運営方針をとるケースも考えられます。
保護者の経済的負担が求められる
部活動地域移行により、指導者への謝礼、会費、施設利用料などが必要となります。指導者は、地域のスポーツクラブや民間事業者から指導者を招聘するケースが多いでしょう。その場合の、指導料や会費は、保護者の経済的負担となります。また、部活動地域移行により、生徒の活動場所が学校から地域のスポーツクラブや民間事業者に移行するため、施設利用料が発生するケースもあります。さらに、部活動によっては、遠方の施設を利用する必要があるため、送迎費用が発生するケースも考えられます。そのため、部活動地域移行により、保護者の経済的負担が増加する可能性があります。
総括
以上、部活動地域移行のデメリットについて説明しました。部活動地域移行には、デメリットが予想されることも事実です。これからの部活動を運営するために、地域の実情に合わせた取り組みが求められます。
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