記事概要 立場や時代にかかわらず、また、公立私立を問わず、教員が思っていても口に出せないことを紹介します。今回は、「普通学級をなぜ『通常学級』と呼ぶのか」についての解説です。これらは、公言すると、PTA、人権団体、新聞等のマスコミ、評論家、教育学者などその他もろもろが黙っていないので、現役の教員は絶対に主張しない(できない)ことです。
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普通学級か、特別支援学級か……どうでもいいこと? どうしても譲れないこと?
特別支援(が適切な児童・生徒のための)教育は2007年度から始まりました。それまでは、知的な障害のある児童・生徒が所属する学級を、何の迷いも疑問もなく「特殊学級」と呼んでいました。したがって、記憶はあいまいですが、知的な障害の無い(障害が無くても頭の悪い友達はたくさんいましたが)「普通」の児童・生徒が所属する学級は、ただの「学級(クラス)」か「普通学級」と呼ばれていたかと思います。
しかし、特別支援教育が始まってからは、「特殊学級」が「特別支援学級」と呼び名が変わったからか、「普通学級」は「通常学級」と呼ぶというか、呼ばなければいけなくなりました。
「特殊」の対義語は「一般」または「普通」ですが、「普通」の対義語を問われると、「特殊」または「異常」が頭に浮かぶでしょう。つまり、「特別支援学級」に「特殊」や「異常」というイメージを抱かせないために、「普通」に代えて「通常」を使用(強要)するようになったと考えます。したがって、教員として人前で話すときは、つまらぬ災いを避けるため、「普通学級」か「通常学級」かを常に確認していますが、呼び名はそんなに重要でしょうか。どうしても譲れないことでしょうか。
特別支援学級に在籍する児童・生徒の多くには、同学年に「交流学級」があり、ともに学習したり活動したりすることがあります。昇降口には下駄箱が、教室には机やいすや教材置き棚等が用意されています。授業中の班学習時や清掃活動時には、近くの児童・生徒が無人の机やいすを移動させています。尋ねはしませんが、子どもたちに不満はないのでしょうか。常には使わない机やいすを、「交流学級」に配置する必要はあるのでしょうか。
特別支援学級に在籍する児童・生徒には、特別な持ち物があることもあり、一人一人にスチールロッカーが用意されています。それであっても、「交流学級」に教材置き棚が必要でしょうか。
下手に口に出すことも、誰かに尋ねることもはばかれることです。
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