記事概要 東京都の公立小中学校教員の定期人事異動の際に、東京都と区市町村の教育委員会がどのように異動先を決定しているのかを解説します。この記事はあくまで、「東京都と都内の区市町村」の教育委員会の動きについて記したものです。加えて、都立高教員の人事異動については明記していません。
公立学校教員の人事異動の裏側と校長の判断はこちら
東京都の校長・副校長以外の公立小中学校教員の人事異動のおおまかな流れ
1 各学校の校長が、所属校の異動(転出)対象の教員の一人一人のリストを作成(校長・副校長をのぞく)
2 異動(転出)対象の教員リストを区市町村の教育委員会が受け取る
3 区市町村の教育委員会が異動(転出)教員リストを東京都教育委員会に提出
4 東京都教育委員会が、都内の全ての区市町村の異動(転出)教員を、区市町村の教育委員会に割り振る
5 東京都教育委員会が、区市町村の教育委員会ごとに異動(転入)教員リストを配分
6 教員リストを受け取った区市町村の教育委員会が、各学校に教員を配置
では、それぞれの流れをより詳しく見ていきましょう。
人事異動の流れ詳細
1 各学校の校長が、所属校の異動(転出)対象の教員の一人一人のリストを作成(校長・副校長をのぞく)
「校長による異動教員リスト作成」については、公立学校教員の人事異動の裏側と校長の裁量権に解説されています。教員の学校在籍年数と校長の判断により、異動(転出)教員が決定するということです。
詳しいルールなどに関してはこちら
2 異動(転出)対象の教員リストを区市町村の教育委員会が受け取る 3 区市町村の教育委員会が異動(転出)教員リストを東京都教育委員会に提出
ここからが市区町村の教育委員会の仕事です。区市町村の教育委員会は区市町村内の全ての公立学校から、異動(転出)対象教員リストを回収します。
ここで区市町村の教育委員会は、異動(転出)教員リストから教員を精査して、異動者リストを東京都教育委員会に提出します。厳選する理由は、有能な教員を区市町村から異動させたくないからです。他の区市町村に異動させたくない教員に関しては、異動(転出)リストに教員に名前を挙げないのです。これにより、「教員の囲い込み」をすることができます。教員の囲い込みについては別記事で解説します。
教員の囲い込みについての記事はこちら
4 東京都教育委員会が、都内の全ての区市町村の異動(転出)教員を、区市町村の教育委員会に割り振る 5 東京都教育委員会が、区市町村の教育委員会ごとに異動(転入)教員リストを配分
東京都の教育委員会が、都内の区市町村の教育委員会から異動(転出)対象教員のリストを回収します。都教委は、異動(転出)教員リストをもとに、各区市町村の教育委員会に返却する異動(転入)教員リストを作成します。その際校種・教科を考慮し、各区市町村が必要とする教員の数に合うように、人員調整が行われます。
東京都の教育委員会の人事担当者によりまず、教員がどの区市町村に異動(転入)するかが決定します。人事異動の際、転出教員は、転入する地区の希望を出すことができますが、多くの場合に希望は通りません。東京都の教育委員会は人員調整後、それぞれの区市町村の教育委員会に転入者リストが送ります。
教育格差についてはこちら
6 教員リストを受け取った区市町村の教育委員会が、各学校に教員を配置
東京都の教育委員会から送られてきた転入者リストをもとに、区市町村の教育委員会がそれぞれの学校に配置する教員を決定します。小学校には男女と年齢をバランスがよくなるように、中学校にはそれぞれの学校に必要な教科の教員が配置されます。
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