記事概要 日本の中学校・高校でどれだけ一生懸命英語を勉強しようとも、英語を話せるようになりません。日本人が英語を話せない理由は単純に、英語を勉強する時間が足りていないということを、現行の日本の学習指導要領と照らし合わせて解説していきます。
日本人が英語を習得するには、何時間かかるのか
日本人が英語を習得にするには、何時間かかるのでしょうか。一般に、日本人が英語をマスターするには約2200時間かかると言われています。これは学者によって賛否両論ある数値であり、もっと短い時間で英語を習得できると主張する人がいれば、もっと時間がかかるはずと言う人もいます。しかしながら、2200時間という数字が一般的な英語を体得するための時間とされているのは、日本人が英語を勉強する際にも、英語を母国語とする人が日本語をする際にも、だいたい2200時間かかっているからです。
公立中学・高校での英語の学習時間
中学校での英語の学習時間
学習指導要領では、中学生は年間140回の授業を受けなければならないとされています。基本的に1回の授業は通常50分です。結果として、
授業の回数140回×3年間=420回
420回×50分=21,000分
21,000分 ÷ 60分 = 350時間
中学生が学校で受ける英語の授業は、合計で350時間ということです。
高等学校での英語の学習時間
高校では中学とは異なり、複雑な指導形態を設けています。現行の学習指導要領では、高校普通科で、次のような授業が設定されており、( )内は1週間での授業回数です。
英語コミュニケーションⅠ(3単位)
英語コミュニケーションⅡ(4単位)
英語コミュニケーションⅢ(4単位)
論理・表現Ⅰ (2単位)
論理・表現Ⅱ (2単位)
論理・表現Ⅲ (2単位)
中高の合計英語の学習時間
高校3年間でこれらすべての授業を受講すると、
3+4+4+2+2+2=17授業(コマ)となります。
学習指導要領では、学校では年間35週以上授業をしなければならないことになっているなっているので、
17コマ×35週=595、つまり、高校3年間で最大595コマの授業を受けることになります。
授業1コマを50分とすると、
595コマ×50分=29,750分。
29,750分÷60分=496時間となります
ゆえに、中高の英語の授業時間を合計すると、
350+496=846時間ということで、2200時間には程遠いということです。
小学校での英語教育
「小学校でも英語の授業をやっているだろう」と言う意見もあるかもしれません。しかし、容易に想像できるでしょうが、小学校での英語の授業は、英語を習得するための学習の時間ではありません。小学校の先生の英語の授業が悪いというわけではなく、中高の英語の授業に比べれば、小学校の英語の授業は遊びのようなものです。英語学習の時間に加算するまでもないものです。
日本人が英語が話せないのは、英語を勉強する時間が足りていないだけ
学習指導要領に示された授業カリキュラムで英語を勉強しても、日本人は英語を1000時間すら勉強できません。日本人が英語を話せるようになるには、現在の2倍以上の時間、英語を勉強する必要があります。英語を習得するうえで一番大切なことは、時間をかけて英語を勉強し続けることです。日本の英語教育が良い、悪いの話ではありません。英語が話せるようになるには、とにかく時間をこなすしかないのです。
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