令和6年度東京都教員採用試験 教職教養問題及び解説④ 問16~20 令和6年度東京都公立学校教員採用候補者選考 (7年度採用)

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記事概要 令和6年度の東京都公立学校教員採用試験{令和6年度東京都公立学校教員採用候補者選考 (7年度採用)}の教職教養の問題解説をしていきます。けれど、間違った解説もあるかもしれませんので、鵜呑みするのは避けたほうがいいと思います。なお、間違った解説につきましては、発見次第、私Garudaに教えていただけると幸いです。

参考
教職教養の問題はこちら

https://www.kyoinsaiyopr.metro.tokyo.lg.jp/pdf/exam/mondai00.pdf

教職教養問題の答えはこちら

https://www.kyoinsaiyopr.metro.tokyo.lg.jp/pdf/exam/seito00.pdf

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問16

次の記述ア〜エは、人権にかかわる宣言や規約に関するものである。ア〜エを、年代の古いものから順に並べたものとして適切なものは、下の1 〜5 のうちのどれか。

ア 「児童の権利に関する宣言」が国際連合総会で採択された。
イ 「人権教育のための国連10年」が国際連合総会において採択された。
ウ 「世界人権宣言」が国際連合総会で採択された。
エ 「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」及び「市民的及び政治的権利に関する国際規約」が国際連合総会で採択された。

1 ア → ウ → イ → エ
2 ア → ウ → エ → イ
3 ウ → ア → イ → エ
4 ウ → ア → エ → イ
5 ウ → イ → ア → エ

答えは4です。
解説 まず、選択肢1~5に注目すると、一番手ではアが2、ウが3であることが分かります。ウに続く二番手では、アが2、イが1ということから、選択肢の3か4が正答ではないかと予想されます。

問16の選択肢の解説

人権に関する宣言や規約を年代順に並べて解説すると、
ウ 「世界人権宣言」は1948年に国際連合総会で採択されました。これは、すべての人が生まれながらに基本的人権を持っていることを初めて公式に認めた宣言です。

ア 「児童の権利に関する宣言」は1959年に国際連合総会で採択されました。この宣言は、子どもたちの権利を促進するための国際的な文書です。

エ 「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」及び「市民的及び政治的権利に関する国際規約」は1966年に国際連合総会で採択され、人権に関する国際的な法的枠組みを提供するものです。

イ 「人権教育のための国連10年」は1994年に採択され、人権教育を促進するための国際的な取り組みを示しています。
したがって、年代の古いものから順に並べると、選択肢4が正答です。

問17

次の記述は、「障害のある子供の教育支援の手引〜子供たち一人一人の教育的ニーズを踏まえた学びの充実に向けて〜」(文部科学省初等中等教育局特別支援教育課 令和3年6月)に示された、ある障害に関するものである。この障害の名称として適切なものは、下の1〜5のうちのどれか。

発音が不明瞭であったり、話し言葉のリズムがスムーズでなかったりするため、話し言葉によるコミュニケーションが円滑に進まない状況であること、また、そのため本人が引け目を感じるなど社会生活上不都合な状態であることをいう。

1 自閉症
2 情緒障害
3 学習障害
4 言語障害
5 注意欠陥多動性障害

答えは4です。
解説 これは簡単な問題ですね。公立学校教員にとって、知っておいたほうがいいような実用的な問題です。

問17の選択肢の解説

1 自閉症は社会性の障害、コミュニケーションの障害、想像力の障害を特徴とする発達障害です。言語の問題を伴うこともありますが、この説明は自閉症の主な特徴を表していません。

2 情緒障害は情緒の現れ方が偏っていたり、その現れ方が激しかったりする状態を指します。この説明は情緒障害の特徴を表していません。

3 学習障害は、全般的な知的発達に遅れはないものの、特定の能力に著しい困難を示す状態を指します。この説明は学習障害の特徴を表していません。

4 この説明は言語障害の特徴を正確に表しています。発音の不明瞭さ、話し言葉のリズムの問題、それによるコミュニケーションの困難さ、そして社会生活上の不都合について言及しており、言語障害の主な特徴を網羅しています。

5 注意欠陥多動性障害(ADHD)は、注意力の障害、衝動性、多動性を特徴とする発達障害です。この説明はADHDの特徴を表していません。

問18

 

心理療法に関する記述として適切なものは、次の1 〜5 のうちのどれか。
1 遊戯療法とは、遊びを媒介にして行われる心理療法である。遊びの中で子どもは自己表現をし、不満や不安を解消するが、さらに自分の感情調整や現実への対処の仕方を学ぶことができる。
2 行動療法とは、ユング心理学を応用した心理療法である。箱に砂を入れ、ミニチュア玩具を選んで自分の好きな情景を作る。作っているうちに、心の全体像の象徴的表現が作者の自己治癒力を刺激し、不安が解消するようになる。
3 ゲシュタルト療法とは、自己を 「あるがまま」 に受け入れていく態度を体得させ、生への意欲を現実化させていく心理療法である。
4 箱庭療法とは、実験的に確認された学習の諸原理に基づいて、不適応行動や症状を減弱させ、適応的行動を強化する療法である。多様な技法が用いられ、バイオフィードバック法や系統的脱感作法がある。
5 森田療法とは、「いま、ここ」におけるクライエントの機能や関係性の全体性に焦点の中心をおく心理療法の一形態である。自然な感情や自己への気づきを引き出すための技法や、パーソナリティの成長を発揮させるための技法があり、集団にも個人にも適用できる。

答えは1です。
解説 教育心理の問題は暗記すれば解ける問題です。がんばりましょう。

問18の選択肢の解説

1 この記述は適切です。遊戯療法は、子どもを対象とした心理療法で、遊びを通じて自己表現や感情の解放、さらには感情調整や現実対処能力の向上を図ります。

2 行動療法の記述は不適切です。ここで説明されているのは箱庭療法であり、行動療法ではありません。行動療法は学習理論に基づいた心理療法で、問題行動の修正を目指します。

3 ゲシュタルト療法の記述は不適切です。ここで説明されているのは森田療法で、自己を「あるがまま」に受け入れる態度を重視し、不安や苦痛に対して逃げずに向き合いながら、日常生活の中で生きる意欲を実現させることを目的とした日本発祥の心理療法です。

4 箱庭療法の記述は不適切です。ここで説明されているのは行動療法の特徴です。箱庭療法は、砂箱とミニチュア玩具を用いて内的世界を表現する療法です。

5 森田療法の記述は不適切です。ここで説明されているのはゲシュタルト療法の特徴です。森田療法は、日本で開発された心理療法で、神経症状の受容と目的活動への従事を重視します。

問19

発達の理論に関する記述として適切なものは、次の1 〜5 のうちのどれか。
1 ゲゼルは、環境閾値説を提唱し、各特性の持つ遺伝的要因を発揮するのには、環境的要因の固有な閾値を超えることが条件だとした。
2 ヴィゴツキーは、どのような機能も遺伝的要因と環境的要因がそれぞれの割合をもって決定されるという輻輳説を唱えた。
3 ジェンセンは、学習には学習を成立させるレディネスが必要であり、レディネスは成熟により獲得されるとする成熟優位説を唱えた。
4 シュテルンは、子どもが自力で問題解決を達成できる水準と、他者からの援助や共同によって達成が可能になる水準に分け、2つの水準のズレの範囲を発達の最近接領域と呼んだ。
5 ボウルビィは、危機的状況あるいはこれから起きる可能性のある危機に備えて、特定の対象との近接を求め、維持しようとする個体の傾向を愛着と定義した。

答えは5です
解説 発達理論の問題も暗記です。確実に正解できるように勉強しましょう。

問19の選択肢の解説

1 ゲゼルの記述は不適切です。ゲゼルは成熟優位説を唱えましたが、環境閾値説は別の理論家によるものです。

2 ヴィゴツキーの記述は不適切です。輻輳説はヴィゴツキーではなく、シュテルンによって提唱されました。ヴィゴツキーは社会文化的理論を展開し、発達における社会的相互作用の重要性を強調しました。

3 ジェンセンの記述は不適切です。成熟優位説はゲゼルによって提唱されました。ジェンセンは知能の遺伝的要因に関する研究で知られていますが、ここで述べられている理論とは直接関連していません。

4 シュテルンの記述は不適切です。ここで説明されているのは、ヴィゴツキーの「発達の最近接領域」理論です。シュテルンはこの理論を提唱していません。

5 ボウルビィの記述は適切です。ボウルビィは愛着理論を提唱し、ここで述べられているように愛着を定義しました。子どもの発達における愛着の重要性を強調し、その形成過程や影響について研究しました。

問20

次の記述ア〜カは、ハヴィガーストの発達課題に関するものである。ア〜カを発達段階の順に並べたものとして適切なものは、下の1 〜5 のうちのどれか。

ア 遊び仲間とうまくつき合うことの学習
イ 適した社会集団の選択
ウ 生理的安定の達成
エ 市民として必要な知的技能と概念の発達
オ 年老いた両親への適応
カ 同年代の人と明るい親密な関係を結ぶこと

1 イ → ウ → ア → エ → オ → カ
2 イ → ウ → エ → ア → オ → カ
3 ウ → ア → エ → イ → オ → カ
4 ウ → イ → ア → エ → カ → オ
5 ウ → イ → エ → ア → カ → オ

答えは3です。
解説 知識がなくても、文章をよく読んで選択肢に合わせれば、なんとか解ける問題です。

問20の選択肢の解説

ハヴィガーストの発達課題に関する各選択肢を解説すると、
ウ 生理的安定の達成: これは乳幼児期(0~6歳)の発達課題です。生理的安定は、基本的な身体的ニーズの安定を指します。

ア 遊び仲間とうまくつき合うことの学習: これは児童期(6~12歳)の発達課題です。この時期には、同年代の仲間との関係を築くことが重要です。

エ 市民として必要な知的技能と概念の発達: これは青年期(12~18歳)の発達課題です。市民としての知識や技能を発達させることが求められます。

イ 適した社会集団の選択: これは壮年初期(成人初期、18~30歳)の発達課題です。この時期には、適切な社会集団を選び、社会的な役割を確立することが重要です。

カ 同年代の人と明るい親密な関係を結ぶこと: これは中年期(成人中期、30~60歳)の発達課題です。親密な人間関係を築くことが求められます。

オ 年老いた両親への適応: これは老年期(60歳~)の発達課題です。年老いた両親への適応や支援が重要になります。

これらを発達段階の順に並べると、選択肢3が適切です:
ウ(乳幼児期)
ア(児童期)
エ(青年期)
イ(壮年初期)
カ(中年期)
オ(老年期)

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