「青山、赤坂、六本木」という地名を聞いて、私たちはどのような言葉を思い浮かべるでしょうか。また、白金(「しろかね」が正しい読み方です。知ったふうで「しろがね」と発音してはいけません。〇〇丸出しです。くれぐれもご注意を)にはどのようなイメージがあるだろうか。
港区には、御成門中を始めとして、白金の丘学園白金の丘中まで10校の公立中学校があります(そのうち、校名に「学園」の付く2校は、小・中併設校です)。中央区民の平均年収が全国1位であり、区の財政が豊かなこともあり、公立学校とは思えない施設や設備の下でさまざまな教育活動が行われています。施設が区民に開放されているとはいえ、幼児からダイバーまでが使用できるようにプール(もちろん温水)の水深が調整でき、きれいな病院にたとえられる校舎の目前に六本木ヒルズがそびえ、全面ガラス張りの学校図書館からはお台場のビーチが望める情景を思い浮かべると、施設のすばらしさの一面が想像できるかもしれません。
家庭の教育力の高さからか、教員の指導力の確かさからか、あるいは、両者の相乗効果からか、中学校の教育活動や生徒の進路や学力ついての評判は上々です。深刻ないじめや目に余る不良行為や暴力行為などはほとんど耳にしません。にもかかわらず、公立小学校から公立中学校に進学する比率は高くはありません。
中央区でも学校選択希望制が実施され、区内在住の「全ての」6年生は1校を選んで希望票を提出することができます。結果として、1学年が単学級から4学級までの学校が存在しますが、注目すべきは「全ての」が意味するところです。
18校の港区立小学校で学ぶ小学6年生は約1400名。そのうちの約700名が10校の区立中学校に進学(入学)しています。つまり、約半数の児童が進学している、言い換えれば、約半数しか入学しないということです。しかし、注視しないと見落としてしまう数字があります。選択希望票の内訳を見ると、選択希望者の合計は約1900名。つまり、小学6年生に該当する「全ての」児童は、港区内に1900人ほどいるわけで、1900名-1400名の差となる500人は、国立小や私立小、または、他の区市町村立小で学んでいると考えられ、これらの児童が区立中に入学する可能性はゼロに近いでしょう。
とすると、港区立中学への実質進学率は、700/1900となり、約35%となります。
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