記事概要 先日、中国の深圳の日本人学校に通う生徒のいたたまれない事件がありました。被害に遭われた児童ならびにご遺族の皆さまに、心よりご冥福をお祈りいたします。この事件のために私Garudaにできることはあまりありませんが、海外の日本人学校の生徒についての理解が深まるような文章を書いていきます。
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勉強のできる、できないは、何を基準とするか、判断に迷うところですが、試験やテストでの得点力で測れば、日本人学校に通う児童・生徒の学力や得点力は高い傾向にあります。それは、日本に帰国した生徒から、「定期テストが学年1位でびっくりしました」や「(旧制の帝国)大学になぜか合格してしまいました」というような連絡をしばしば受けることからもわかります。
けれど、日本人学校の多くの児童・生徒は、自分は勉強ができるとは思っていません。むしろ、『自分は勉強ができない』『日本国内の児童・生徒に太刀打ちできないのではないか』と思っているように感じられます。現在はインターネットの環境が整備されていますので、オンラインでの(受験)勉強は可能かもしれませんが、学習塾や予備校に通い、対面での授業を受けることは難しいことです。また、模擬試験を受けることも困難です。というより、海外に居住する児童・生徒を対象とした模擬テストが実施されているのかはわかりません。
中学または高校受験用の参考書や問題集を手にするのも難しいことです。発展途上国ではそもそも本屋はまれです。日本の書籍を入手するには、シンガポールなどに出張する人に依頼するか、日本国内の知人にお願いしなければなりません。ただし、で今はAmazonあたりが対応してくれるかもしれません。
学校で使用する補助教材(副教材)についても、特約店に注文し、船便で送られるということもあって、通関を含めると届くまでにひと月からをふた月かかります。
このようなことから、日本人学校の児童・生徒は、『自分は勉強ができないのではないか』と思っているのではないかと考えられます。しかし現実には、衛星放送を除き、日本のテレビ番組は見られません。帰宅後に友達と外で遊んだり、祝日や週末に外出したりすることはあまりありません。必然的に読書や家庭学習に費やす時間が長くなります。
学校の授業では、小学1年生から、英会話の授業のあることが一般的です。また、小学6年生や中学3年生の授業内容は、入学試験で日本に帰国する児童・生徒が多い関係で、二学期末までに終えるようにしていますが、子供たちは苦も無く授業についてきます。
先日、中国の深圳で、日本人学校に通う児童が保護者の目前で襲われ、亡くなるという事件か起こりました。この児童も、ここで紹介したような学校生活を送っていたと想像されます。前途有望な児童の命が奪われてしまったことが、残念でなりません。日々さまざまな事件や事故が起こるため、この事件は忘れ去られてしまうかもしれません。ただただご冥福をお祈りするばかりです。
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