記事概要 海外で長期に勤務する場合、学齢期にある子どもの教育に迷うことがあります。所属する組織に相談機関があるか、相談相手がいれば幸いですが、孤立無援ですと悩みや不安は大きくなるかもしれません。今回は、学齢期にある子どもを持つ親が、子どもをどんな学校に通わせるべきかについて、解説していきます。
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始めに
多くの日本人にとって、海外に長期で勤務する場合、
1 単身での赴任
→この場合は特別な問題は生じないでしょう。
2 学齢期にある子女(児童・生徒)を伴う赴任
→学齢期にある子女は、日本人学校かインターナショナルスクールか現地校のいずれかに通うことが一般的です。
では、それぞれについて書き進めます。
日本人学校
日本国籍を持つ子女の多い国やその都市には、現地の日本人会が設立した日本人学校があり、我が国の学習指導要領に準じた教育活動が行われています。しかし、入学金や授業料の支払いがあるなど、私立学校のような側面があります。
校長を始めとして教員は、日本人学校からの要請で派遣されますが、充足するとは限りません。その場合、海外子女教育財団を通じて教員を募集したり、現地にいる教員免許取得者を採用したりします。在籍児童・生徒数は、十数名から3、000名を超えるまでとさまざまですが、大規模校は東南アジアやヨーロッパに多くあります。
生徒は穏やかで、学力の水準も高く、いじめや生活指導上の問題はほとんどありません。教員は日本全国から選抜されていますので、授業力や指導力は確かです。
インターナショナルスクール
世界各地で生活する子女を対象とした学校です。先生も、通学する児童・生徒も国籍はさまざまで、幼稚園でも授業は英語で行われます。日本人学校と比較しますと、授業料はやや高額ですが、英語力が高まる可能性があります。一方で、英語の基礎クラスから抜け出せず、通常の授業に出られないという危険もあります。
現地校
日本でいう公立学校ですので、授業は現地の言葉で行われます。そこで、英語圏の国々に暮らす児童・生徒(保護者?)には、現地校に通学する傾向が見られます。
一方、英語圏以外の国々に暮らす児童生徒では、現地校への入学はまれです。
補習(授業)校
英語圏の国々に暮らす児童・生徒の多くは、放課後や土曜・日曜に補習校で算数・数学・国語等を学んでいます。なお、数名の派遣教員が常駐しています。また、英語圏以外で日本人学校のない地域にも、補習校と呼ばれる学校があります。日本からの派遣教員は皆無で、保護者が学習を指導する補習校もあります。
総括
なんにしても大事なことは、世界中のそれぞれの環境に合わせて、子どもにとって最善の教育の方法を適応することです。島国に住む日本人にとって、海外の生活に適応することは大変なことですが、海外に住む日本人にとって、この記事が参考になれば幸いです。
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