記事概要 昨今の公立学校教員の仕事には、労働時間が長いとか、ブラックといった印象がつきまといます。難しい話ではありますが、公立学校教員の業務の公立可を図れそうな改善案を紹介していきます。今回は主に小学校教員の労働時間を長くする原因になる「夕会」と「朝会」について解説しています。
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夕会
「ユウカイ」という発音を聞いて、「誘拐」という二字熟語を思い浮かべはしても、「夕会」と即座に漢字変換できる人はどれだけいるでしょうか。また、「夕会」という熟語を目にして、その実際を知る人はどれだけいるでしょうか。
実は、ほぼ毎日「夕会」を体験している人々がいます。それは小学校の教員です。
朝会(職員朝会・朝の打ち合わせ)から夕会(勤務終了前の職員打ち合わせ)へ
教育公務員(教員)の勤務時間が8時間から7時間45分に変更されたことで、休憩が45分となりました。そして、勤務の開始時刻は午前8時15分前後が多く、一校時(一時間め)が始まる前に、職員朝会や児童集会や朝学習や朝読書を行うことが一般的です。
部活動(部活)の朝練習(朝練)が盛んな中学校では、午前7時頃から活動が始まるケースが多く、また、さまざまな理由で早くから登校する生徒がいます。一般に中学校では、生徒の登校時刻や登校後の実態把握は緩やかといえます。
一方小学校では、児童の安全に配慮して、校門を開ける時刻を教員の勤務時間に合わせたり、早くに登校した児童を玄関で待たせたりする学校があります。そして、安全に配慮し、始業時から児童に寄り添うという目的で、朝会に代えて夕会を行う学校が現れました。
夕会への違和感や抵抗感
「児童・生徒の安全を最優先にする」という意見に異を唱える教員はまずいないでしょう。けれど、新規採用で夕会しか知らない教員はともかく、朝会が常態であった教員には、夕会への違和感や抵抗感が根強く見られます。その理由には、出張等の関係で教員が揃わない、取り掛かかっている仕事を中断しなければならない、時間にルーズで長時間になりがちなどが挙げられます。
夕会から朝会へ
では、どのようにしたら夕会とバイバイできるでしょうか。学年が単学級(一学級)でなければ、一部の教員で学年の児童を見守り、他の教員で朝会を行うことできます。また、連絡事項や伝達事項を業務用パソコンで確認することで、朝会に代えることもできます。また、「小1の壁」と呼ばれる、早めの登校を余儀なくされる児童を、教員に代わって支援する人材派遣が一部の地域で始まっています。この態勢を全学年に拡大すれば、朝会の再開は可網でしょう。
前例踏襲ではなく、学校を働きやすい組織とするために、夕会の効用を再確認してはどうでしょか。
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