記事概要 私Garudaが書いた、平成29年度の東京都教員採用試験の一般選考論文A問題の論文の校正です。校正される前の論文が見つかりませんでしたので、校正後の論文を紹介します。
問題文
次の記述を読み、下の問題について、論述しなさい。
年度初めの職員会議で、教務主任から、「昨年度、学校で独自に実施した生徒対象の学習に関する調査の、『授業中に自分の考えを表現することができた。』の項目で、『できなかった』の回答が多くありました。また、各教科の教科主任からも、自分の考えはもっているものの、それを的確に表現できない生徒が多いという報告を受けています。そこで、今年度、各教科の指導において、『自分の考えを的確に表現する力を育む。』を重点事項にしたいと思います。」と報告があった。職員会議終了後、指導教員からあなたに、「先ほどの重点事項に基づいて、どのように学習指導に取り組んでいくか、具体的に考える必要がありますね。」と話があった。問題
指導教員の発言を受けて、あなたならどのように学習指導に取り組んでいくか、志望する校種と教科等に即して、具体的な方策を二つ挙げ、それぞれ10行(350字)程度で述べなさい。また、その方策を考える上での問題意識やまとめなどを含めて、全体で30行(1,050字)以内で述べなさい。ただし、26行(910字)を超えること。
※ 引用 東京都教育委員会ホームページ
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/static/kyoinsenko/saiyo_kako/data/h30/mondai33.pdf
解答例
私は進学塾のアルバイト教師として、小学生から高校生まで様々な生徒を指導してきた。教えることがないほど優秀な生徒がいれば、目を離した瞬間に寝てしまうような生徒もいた。そして、子どもたちと関わることを通じて、教えるということの難しさを学んだ。私はこの経験を生かし、中学校の英語の授業を通じて自分の考えを的確に表現する力を育む。
1 自分の考えを表すための語彙を増やし、英語の授業の中で自分の意見を発表させる。
私は英語の語彙を増やさせることが、自分の考えを的確に表現する力を生徒に育むと考える。塾での学習で、「おもしろかった」の一語で感想や意見を表す生徒に、おもしろかったを使わぬ指導をした結果、生徒は理由や根拠を具体的に的確に表現するようになった。
そこで、英語の語彙を増やすため、英語のビンゴを毎時間行う。また、和英辞典で未知の単語を学ぶ楽しさを味わわせ、その語を用いた英文を示すことで語彙を増やしていく。そして、動物、スポーツなど、身近な語をグループ化した単語集を作成させ、語彙を豊かにさせる。さらに、表現豊かな意見を出させるために、日常会話で使われる表現を教え、それらを用いたペアワークを行わせることで、自分の意見を発表させる体験を積ませる。
継続は力なりに倣い、語彙を豊かにさせることで、自分の考えを的確に表現する力を育む。
2 誤りを恐れず積極的に英語で意見を主張させ、自分の考えを表現する能力を培う。
英語で話す力を養うには、「習うより慣れろ」が適切であると私は考える。私が関わった生徒には、失敗を恐れ、意見発表できない生徒がいた。そこで、どのような発言でも尊重することをルールとした結果、挙手する生徒が増え、自分の意見や考えを述べるようになった。
そこで私は、英語で自分の考えを表現させるために、誤りを恐れさせない授業を行う。授業の基本として、ひとのミスや誤りをあげつらわないことを指導する。そして、英語での発言を活発化させるために、身近な話題でのディスカッションやペアワークを毎時間行わせる。対話に関する質疑応答を繰り返させることで、英語での会話に慣れさせ、自分の考えを表現する能力を培っていく。さらに、話し手の意図をくみ取らせ、賞賛させることで、発表者の意欲を高めさせる。加えて、1分間のスピーチを実施することで、論理的に考え、自分の考えを的確に表現する力を育んでいく。
塾での学習指導でも、直面する課題の解決は容易ではなかった。そこで私は、学校という組織の一員として、学校長の学校経営方針に則り、生徒が自分の考えを的確に表現する力を育む指導に全力を尽くしていく。
総括
この論文は10点満点中7点です。本論の部分にも、具体性が出てよいです。
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