体罰抑制のために子どもを見捨てるという選択 【なぜ体罰はなくならないのか】

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記事概要 今日の日本では、体罰はいかなる場合でも許されるものではないという体罰はいかなる場合でも許されないが定説となっています。今回は、教員が生徒指導を一切行わなず、教員側から生徒の言動に一切関与しなければ体罰は根絶できるという極論について解説していきます。
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生徒への指導の際が9割

 上記の記事でも述べましたが、体罰が発生する状況は、生徒が先生からの指示に従わなかったときが9割以上でしょう。生徒指導を目的として発生していることがほとんどです。昔は日常的にあったような理不尽な体罰は、近年ではまず見られなくなっています。竹刀を持って校内を歩き回る教員なんてまずいませんし、何もしていないのに殴られるなんていうのは、昭和の時代のステレオタイプな話です。学校で先生から「勉強しないのなら帰れ」と言われた生徒が教室を出て家に帰り、すぐに呼び戻されて、「なんで帰ったんだ」なんて叱られることはまずありえません。

 体罰が生徒指導の際に生じるのであるならば、体罰を根絶する一つの解決策として、生徒が教員のすべての指示に従う状況を作るか、教員が一切の生徒指導を行わなくなるかが考えられます。そうなれば、体罰は0になるでしょう。

完全に従順な子どもたち

 繰り返しとなりますが、体罰を0にするには、「生徒が教員の指示に全て従う状況を作る」という方法があるでしょう。けれどこれは無理な話です。全ての児童・生徒全員が神妙で従順な学校では、思想の統一のような指導が行われている可能性が非常に高いでしょう。何かの宗教団体のように、子ども全員をマインドコントロールすれば、このような学校ができるかもしれませんが、これはとんでもなくやばい学校ですので、入学させるのは絶対にやめるべきです。

 余談ですが、200人に1人ぐらいの割合で、このような思想統制が得意な、圧倒的リーダーシップを持った校長がいるのも事実です。強力で強大なトップダウン型の学校で生活していくのは楽ですが、純粋無垢な子どもには教育上よくないかもしれません。

生活指導を行わない学校

 先生が生活指導を行わなくなれば、体罰は0になっていくはずです。「生徒指導を行わなければ」と書きましたが、本来であれば、生徒指導は必要ないはずです。学校の教員にとっては、「勉強を教える」「子どもを育てる」といったことが生業なはずです。しかし、子どもが勉強をしなかったり、子ども同士でけんかをしたりすると、現状では学校や教員は、やむを得なく生活指導を行います。

 教員だって、必要なければ生活指導などしません。「好き好んで生活指導を行いたい」なんて教員はいません。しかし、いじめられている子どもを見て見ぬふりをする、子どもが学校の物品を壊しても放置しておくようなことはできません。体罰に頼ることのない、再発を防ぐような生徒指導を行わないといけません。

 自己の保身のため、教員が「子どもを見捨てる」という選択を取れるようになれば、体罰は0になるでしょう。生徒が勉強をしなくてもそれでよし、授業を聞かなくてもかまわない、運動中にケガをしても自分には無関係、指示を聞かなくても授業を続けるというような状況になれば体罰は発生しないはずです。

 けれど、児童・生徒をよりよく育てたいとした結果、体罰が発生することがあります。本気で体罰を根絶したければ、「教員の指示を聞かない生徒を学校に来させない」という方法以外に解決策はないでしょう。指示を聞かない生徒がいなければ、学校で体罰は発生しません。社会的に子どもを見捨てるという選択をとらない限り、体罰は根絶できません。

 「子どもはみんないい子」と考える性善説は、無理がないでしょうか。それが通用すれば、世界はもっと幸せになっているはずです。それができないから、教員は生活指導を行うし、体罰が発生してしまうのでしょう。
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