やりたくない受験の強制 子どもは中学受験をしたいのか 【勉強は才能】

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記事概要 昨今、首都圏では中学受験熱が高まり、中学受験を検討する小学生が増えている。子どもが勉強に対してどう思っているのか、教員の目線で解説する。
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負のスパイラルの実態

 首都圏で中学受験をする子どもが増えている理由の一つとして、読解力のない、学力の低い親が、「子どもを中学受験させないなんてかわいそう」というメディアの言説に踊らされて、子どもに中学受験に挑戦させる親が増えている。

 「私立学校ではいい教育を受けられるから、子どもに中学受験させよう」と思って子どもに中学受験をさせる親は、漏れなく知能が低い。中学受験する人間が増えることで金が手に入る人が促している風潮の意図を理解していない、もしくは情報の真偽を判断できないからである。

 頭の悪い大人が、頭の悪い子どもに勉強を強いる構図は、負のスパイラルを生む。親が読解力や学力に欠けている場合、その子どもも同様の特徴を受け継ぐ可能性が高い。そして、その子どもが中学受験で苦しみ、失敗を経験することで、負の連鎖が続いていく。

子どもの権利

 ないがしろにされがちなのが、子どもの権利である。「親が金を出して子どもに中学受験させているのだから、それは親の勝手だろう」と言われれば、そのとおりである。しかし、中学受験対策をしている子どもを見る限り、毎晩夜遅くまで、成績を伸ばそうと睡眠時間を削って勉強している子どももいる。

 勉強をしている本人が、好き好んで勉強をしているのかといえば、多くの子どもは必ずしもそうではない。勉強する理由を聞かれたら、「親がやれって言ったから」と答える小学生がほとんどだ。そもそもスマートフォンでいくらでも時間をつぶせるようになった現代において、勉強にのめりこむ子どもなんてごく少数であろう。

 勉強は大事であるが、子どもにとって大事なのは勉強以上に睡眠や遊びといった、そもそも人間の成長に欠かせないものだろう。そして、勉強の才能がないが努力する子どもこそ、成績の伸ばそうと睡眠時間や娯楽のための時間を必死に削って勉強するものの、結果が実を結ばず、自身の自己肯定感が下がるケースが多い

勉強は才能

 睡眠を削ってまで勉強したが、努力の結果が出ずに絶望してしまうようであれば、中学受験用に勉強をしている子どもは、勉強をしない権利を主張してもよい。親が自らの学力や能力に正直になり、子どもの個性や適性を尊重することが、このスパイラルを断ち切る第一歩である。中学受験をしない選択肢も、子どもの未来を考えた上では十分に正当化されるべきである。
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