記事概要 東京都の公立小中学校教員が所属学校から転出(異動)する際に、異動先の希望を提出するときの地区分けの表です。
公立学校教員の人事異動の際の勤務地の決定基準
東京都の教育委員会は公立小中学校教員の人事異動の際、教員を同じ区市町村の学校に配置させるのではなく、できるだけ異なる地域の学校に配置するように調整します。特定地域でしか働くことができないようなお山の大将の教員になるのではなく、様々な地域で教員経験を積んだほうがいいからです。人事異動の際に、教育委員会が下の図をもとに地域分けを行います。
地域分け表
- 1 千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、渋谷区、中野区、豊島区
- 2 品川区、目黒区、大田区
- 3 世田谷区、杉並区
- 4 北区、板橋区、練馬区
- 5 荒川区、足立区、葛飾区
- 6 墨田区、江東区、江戸川区
- 7 町田市、多摩市、稲城市
- 8 八王子市、日野市
- 9 武蔵野市、三鷹市、小平市、東村山市、清瀬市、東久留米市、西東京市
- 10 立川市、府中市、調布市、小金井市、国分寺市、国立市、狛江市
- 11 青梅市、昭島市、福生市、東大和市、武蔵村山市、羽村市、あきる野市、西多摩地域
- 12 東京都の島など
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地区分けの分析
隣接区と学校数をもとに番号が決まっている
地区分け表は、隣接する区市町村のグループで構成されています。しかしながら、該当区市町村の数で言えば、地域番号の1と11が多いです。地域番号の1は、学校数が少ない地域が多いので、多数の区が所属しています。
地域番号の11は、東京都の西部の地域をひとまとめにしているので、市町村の数が多いです。
異動先の人気地区が小さい番号になっている
東京都の公立小中学校教員は人事異動先を決定する際に、異動先の希望を出します。しかし、希望が通るとは限りません。異動先として人気な地域は無論、希望する教員が増えるので、倍率が高くなるからです。
もちろん、勤務地を選ぶことができるのなら誰だって、アクセスがよくて学力が高い地域の学校に転入したいでしょう。しかしながら、そんな学校めったにないです。東京都の中心地でアクセスがよく、生徒の学力が高い学校が、地域番号1に集まっているのです。
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若手の教員は、地域番号1以外の地域に異動されやすい?
地域番号1の区は、生徒の学力が平均よりも高く、生徒指導も少ないような落ち着いた学校が多いです。
一方で地域番号の5・6の地域の足立区・葛飾区・江戸川区などの区は、平均以下の学力の学校が多いです。授業のしやすさなどにおいても、地域番号1と5、6では雲泥の差があります。千代田区・中央区・港区での授業のスタイルが足立区・葛飾区・江戸川区では通用しない、というようなことは多々あります。長い教員キャリアを考えると、早いうちに生徒指導や授業のスキルを磨いた方がいいという理由から、若手の教員は人事異動の際には地域番号1以外の地域に異動することが多いです。
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無論、人事異動の際には、教員自身の自宅から学校までの距離は必ず考慮されます。小金井市在住の東京都の教員が経験を積むために、2時間かけて江戸川区の学校に勤務することになる、なんてことはまずありえないです。東京都西部もしくは千葉県などに住む若手教員はあくまで、公共交通機関を利用して1時間30分以内に到着する範囲の地域で、通勤可能な地域の地域番号2~6に異動(転入)する可能性が高いです。
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