記事の概要 退潮著しいと言われる、公立高校の大学進学率の復活策について、高偏差値帯の私立学校と男女共学・別学についての点から解説していきます
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公立高校の復活策 3 「男女七歳にして席を同じゅうせず」
「男女七歳(しちさい)にして席を同じゅうせず」とは、中国の『礼記(らいき)』にある言葉で、7歳になった子女が布団を共用するのは好ましくないという考えを表したものです。一見すると、古めかしい教えのように思われますが、進学校とされる高校や、そこめざす受験生やその家族の考えには、「男女七歳……」を良しとする傾向があると思われます。
歴史を顧みれば、第二次世界大戦前までは、義務教育までが男女共学でした。
したがって、旧制高等学校や帝国大学への公立の進学校といえば、府立や県立の旧制中学校でした。戦後、東京府立第一中学校は東京都立日比谷高校と名を変え、男女共学の高校となり、東京大学合格者全国1位の学校として知られます。日比谷高校に続く公立高校のほとんどは、戦前からの旧制中学校、つまり、男子校で、私学の雄という存在だった麻布高校も男子校でした。
上位私立高校の如実な別学事情
日比谷高校に代わって東大合格者数で全国1位となったのは、兵庫県の灘高校や東京都内の大学附属高校でしたが、こちらも多くは男子校でした。そして、ここしばらくは開成高校の天下が続いていますが、東京都内の国立大学附属高校では、元々は農業専門学校だった筑波大学付属駒場高校が、他の附属高校を圧倒しています。また、「御三家」と呼ばれる開成高校・麻布高校・武蔵高校、「新御三家」と呼ばれる海城高校・巣鴨高校・駒場東邦高校は皆、男子高校です。
さらに、桜蔭高校・女子学院高校・雙葉高校が「女子御三家」と呼ばれることから考えると、難関大学への進学を目指す児童やその家族は、男女別学を選択肢の上位としているようです。また、埼玉県や千葉県で公立の浦和高校や浦和第一女子高校、千葉高校や千葉女子高校を男女別学のままとしているのも、大学受験に備えての施策のようです。
東京都立高校や京都府立高校や神奈川県立高校の完全復活を目指すのであれば、男女別学の高校とすることも、有力な選択肢の一つとなるかもしれません。
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