記事概要 東京都公立学校教員の人事異動において校長の裁量権がない部分と、学校教員のバランスについて解説します。
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人事異動における校長の裁量権外
異動する教員の異動先を指定することはできない
公立学校の校長は、学校に在籍する校長・副校長以外の教員の人事異動を決定することができます。しかし校長は、「学校を異動する教員の移動先」を指定することはできません。つまり校長が(この教員は気に食わないから、遠くの学校に異動させてしまおう)というような指示をすることはできないということです。
ある意味、「校長が教員の異動先を指定できない」ことを教員が逆手にとるならば、人事異動を考慮して校長にへつらう必要はないということです。ですので、校長判断による人事異動の対象の教員は、校長との関係性が悪くなろうとも、特に実害はないということです。
どんな教員がくるかは完全にランダム
学校長は「この教員を異動(所属学校から出す)させる」ということを決定することはできますが、「この教員を自校に呼ぶ」ということはできないです。つまり、(この教員は使えないから異動させる)と考えて教員を異動させても、さらに使えない教員が異動してくる可能性も十分にあるということです。いかに人脈があろうとも校長は、同僚や部下を選ぶことができないのです。
人事異動については、人材の等価交換にも似た内容を書いています。
しかし、矛盾しているのは承知の上ですが、学校長が望む教員を自校に引っ張ってくる「裏ルート」は存在します。公にされている訳ではないですが、「方法はある」ということです。
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人事異動により、学校の教員レベルのバランスが保たれるようになる
「評判がいい学校」になると、結果としてダメ教員(使えない教員)が人事異動で増えてきます。「公務員」という立場の公立学校教員は、よっぽどのことがない限り解雇されません。ダメ教員が教員の仕事を続けるには、「評判がいい学校」に赴任するしかないのです。ダメ教員が荒れている学校なんかに赴任すれば、精神的なストレスにより休職というようなことになるからです。ゆえに「評判がいい学校」が造られると同時に、ダメ教員も若干増えていきます。「評判がいい学校の教員は全員が優秀」ということではないです。
総括
校長と言えど、できることには限界があります。校長の裁量権が狭いことが、「評判がいい学校」が生まれにくい理由の一つかもしれません。
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