記事概要 東京都の教員採用試験の、論文の書き方を説明します。前回に続き、論文の「序論・本論・結論」に当てはめた論文の例を紹介していきます。
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教採の論文の基礎『序論・本論・結論』(前回記事)はこちら
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東京都教員採用試験の論文の「型」とは
論文の「型」とは、論文を「序論・本論・結論」で構成し、「本論」の部分を「(柱)・論・(例)・策」の流れで、課題解決のための方策2つ書くというものです。この「型」に当てはめた論文を見てみましょう。
例題(小学校全科コース用)
5月に入り学級内は、おしゃべりと笑顔に溢れていますが、一部孤立する子、集団に無関心な子の存在が気になります。また、時々乱暴な言葉やからかいの場面も見られるようになりました。あなたは担任としてどのような生徒指導をしようと思うか述べなさい。
「序論・本論(柱・論・例・策)・結論」を当てはめた解答例
序論
新しい集団で自分が居場所を確保できるか、誰もが不安を持っている。「なんでもチャレンジ。人が嫌がることはしない」そんな目標を共有して、自分にも持ち場がある、自分なりに認められたと思えるような活動を組織していく。
(104字)
本論
柱1
生徒の願いを取りまとめて学級の取り組み目標とする。
(25字)
論
1人1人の願いを学級集団の活動を通して実現できるという民主主義の体験が重要である。嫌がらせのない楽しい学校生活を目指した全員の協力を生活指導の基本とする。
(77字)
例
中学のとき学校全体で「いじめは許さない」取り組みを生徒主体で実現した体験がある。教師の指導を受けながら、自分たちの要求や願いを実現できる喜びを実感させたい。
(78字)
策
一人一人が疎外されない楽しい学校生活を望んでいることを確認し、学級の取り組み目標に反映させる。また、それぞれの不安や不満にも目を向け、寄り添う指導を行う。
(77字)
柱2
集団活動により学級・学年の人間関係を深める。
(22字)
論
年度当初は、互いに性格がわかり、安心して自分の思いを伝えられるような関係作りが重要である。違いを認め合い、支え合う活動体験を通して集団の凝縮性を高めたい。
(77字)
例
実習校の担任は、授業の合間に歌や集団遊びを取り入れた仲間づくりに力を入れていた。道徳感の関連も図り、日常生活で人間関係を深める生徒指導が重要だと感じた。
(76字)
策
学年で協力して、集団のまとまりを要求する長縄跳びなどの活動に取り組ませる。話し合って作戦を立て、学級が一丸となって練習できるように側面から支援をしていく。
(77字)
結論
教師が教え導くと共に生徒自身が課題解決に取り組み、みんなの望む学級集団を作ろうとする意欲こそ重要である。「なんでもチャレンジ。人が嫌がることはしない」を目標に、生徒の自己肯定感を高めさせ、学年チーム一丸となって開発的な生徒指導に取り組んでいく。
(122字)
総括
これが論文の「型」に当てはめた解答例です。この型をベースにして、論文のバランス(前回記事を参考にしてください)をもとに、論文の肉付け(字数を増やすこと)を行います。論文の型を参考にして、実際に論文を書いてみましょう。特に、本論の箇所の肉付けを意識して、論文を書きましょう。
「(柱)・論・(例)・策」などの用語に関してはこちら
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