資本主義での生き残り方 「銭ゲバ」 【学校においてほしい本】

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銭ゲバ(上)

銭ゲバ(下)

「この世で一番の権力者は銭ズラ。」

引用 銭ゲバ

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あらすじ

 主人公の蒲郡風太郎は「~ズラ」が口癖の青年。「~ズラ」は中部地方の方言として作中では使われている。家庭の貧困が原因で、心の支えであった母を亡くす。この母親の死が「銭(金)こそ全て」という彼の哲学になっていく。金に大事なものを奪われ、銭のためなら犯罪さえいとわなくなった蒲郡風太郎が悪なのか。貧困こそが悪なのか。「銭ゲバ」と表される彼の結末は。

銭ゲバとは

 作中で「金のためなら何でもする奴」と説明されている。ゲバとはドイツ語のゲバルト(暴力行為)という意味の略語で、『銭ゲバ』の原作が発表された昭和40年代当時、流行した左派政治運動に参加した学生の隠語で、国家に対する実力闘争を指す。略して「ゲバ」と言うことが多い。誤った用法であるが、一般的にお金に執着する人(守銭奴やけち)の事を「銭ゲバ」と表現される。
引用 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%AD%E3%82%B2%E3%83%90

ジョージ秋山とは

 「銭ゲバ」の作者。1943年出生で、東京都生まれ栃木県育ち。5人兄弟の次男として生まれ、幼少期は極貧生活を経験する。ギャグ漫画を多数出版するが、1970年に「アシュラ」と「銭ゲバ」を執筆し、社会的な注目を浴びる(「アシュラ」には、飢餓ゆえに子どもの人肉食を行おうとする場面がある)。社会派漫画家・アンダーグラウンドな分野に焦点を当てた漫画家として名を広めた。

「銭ゲバ」の名言

かあちゃんはお金持ちの家のひとだったら死ななかったズラ 銭がないから死んだズラ

 医者に診てもらうお金がない結果、死んでしまった母を見て、主人公蒲郡風太郎のアイデンティティが決定した瞬間の場面。貧困が生み出す、抜けることができない不幸のスパイラルを表象している。

銭があればなんでも手にはいるズラ。ひとの心も銭で動かしてみせるズラ。

 非道徳なことを行い続け、なんとか金持ちの家系に取り入れられた蒲郡風太郎。金に余裕ができ始めたことで、彼の金に対する執着心はさらに加速していく。

総括

 あらすじからもわかるように、決して面白い話ではない。しかし、かつては蒲郡風太郎のような全く救われない人もたくさんいた、ということを改めて考えさせる作品である(現代社会において報われない人がいないということではない)。
金の亡者となってしまった人間はどうなってしまうのか。金とはなんなのか。善とはなにか悪とはなにかを考えさせる稀代の名作である。

銭ゲバを学生に読んでほしい理由の詳細はこちら

今日において「銭ゲバ」が学生に与えるインパクト 【学校においてほしい本】
記事概要 漫画家ジョージ秋山の作品「銭ゲバ」が、現代の学生に与えるインパクトを説明します。 前回記事 時代相応の絵  1970年当時に掲載された漫画としては、銭ゲバの絵に対してなんら不満を覚えるようなことはないだろう。しか...

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