あなたは名探偵? 『藪の中』 【学校においてほしい本】

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『藪の中』 芥川 龍之介

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始めに 

 明治を20年過ぎて、二葉亭四迷(「くたばって仕舞え」に由来)による小説・『浮雲』が世に出ました。言文一致による我が国初の近代小説と言われますが、それ以来、数々の作家がさまざまな小説を発表してきました。けれど、『藪の中』のように、固有名詞である作品名が、「真相は不明」という意味を表す普通名詞となり、一般化したケースはまずありません。

 既に読んだという方でも、再読することで新たな発見があるでしょう。

概要

 芥川龍之介は『鼻』『芋粥』を始めとして、『今昔物語』に着想を得た小説を幾つも発表していますが、『藪の中』もそれらの一作です。

 「金沢」という侍の死体が藪の中で発見されます。現在の警察官ともいえる「検非違使」が、殺人事件の全容に迫るために、さまざまな人物から聞き取りを試みます。

 まずは第一発見者である「木樵(きこり)」による証言。次に、殺人のあった前日に「金沢」らしき人物を見かけたという旅の法師による話。続いて、「金沢」殺しを自供する「多襄丸」を捕らえた男による物語。

 そして証言は、「金沢」の家族や「多襄丸」に引き継がれます。「金沢」の義母に当たる媼の語り。「金沢」を殺したという「多襄丸」本人による説明。さらには、自分が夫である「金沢」を殺したと自白する「真砂」。

 ついには、死者となった「金沢」の霊が語る藪の中での出来事。

良さ

 やや難しい語句や表現が作中に現れますが、短編小説ですので、時間をかけずに容易に読み切ることができます。登場人物の語り口も、その人物にふさわしく描かれていて、芥川龍之介の表現量の豊かさに気付かされます。

まとめ

 東京帝国大学(現東京大学)に在学中から小説を発表し、夏目漱石からその才能を激賞された芥川龍之介。「漠然とした不安」を理由に35歳の若さで自殺してしまいますが、『藪の中』は自身の推理力が試される小説です。さあ、あなたも名探偵になりきって犯人に迫り、この事件を解決してみてはいかがでしょうか。

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