中学校教員からのツッコミ ほめることの限界

スポンサーリンク

主張

努力をほめることは大事。ただ、過大評価しすぎると絶望しか残らない。

「学力」の経済学を読んでの、中学校教員からのツッコミを書いていきます。
「学力」の経済学 中室牧子

 

子どもの「能力」を褒めるのではなく、「努力」をほめてあげる

という言葉がこの本にある。子どもの努力した内容をほめることにより、よい成績をとればそれは努力のおかげだと考え、悪い成績をとればそれは努力が足りなかったと考えるようになる。その結果、課題に直面しても努力をすること、粘り強く努力し続けることを身に着ける、という考え方である。

「学力」の経済学含めどんな本でも、内容をすべて鵜呑みにすることは危険であるが、「努力」をほめるべきというこの意見は正しいであろう。忍耐強く課題に取り組む力をつけることは大事である。しかし、個人差はあるが努力にも限界はある。私がどれだけ練習しても100mを10秒以内に走りきることができないように、努力でどうにもならないこともある。

どう頑張っても勉強ができない子どももいる

中学生を見ているとまれに、いかに勉強しても結果がでないという特性を持つ子どもがいる。数学なんかは特にその特性が顕著に出る。むしろ、算数の時点でその特性が出ている場合もあるかもしれない。掛け算の百ます計算を見ていると、機械的に同じ方法で計算を行えない子どももいる。掛け算の百ます計算中に突然、足し算をし始めてしまうのだ。このような特性を持っている子どもは、努力をしない訳ではないし、やる気がない訳でもない。大真面目に掛け算の計算をしながら、突発的に足し算をしてしまうのである。やたらめったら計算ができない子どもがいる訳ではないが、私の体感では100人に一人くらいは、どうしても機械的に同じ方法で計算ができないが子どもいる。(教え方が悪いのではないか)と思うかもしれないが、やり方を見せて教えても同じミスを犯してしまう子がいる。このようなこのような特性のある子どもに、数学の試験の結果に対して「努力が足りないから結果が出ないといい続けても」何の効果も出ない。

ほめることの限界

日本の中学生の学習環境において、中学生の勉強の「努力」をほめてあげるのはかなり大変である。明確な数値が出てしまう定期テストの結果からのほめ方は難しいものがある。

ほとんどのテストで90点前後とるようなこどもであれば、なんの問題もないであろう。どれだけ勉強を頑張ろうと10点しかとれない中学生もいる。ほめようにも、ほめる点が見当たらない。根気よく調査を続けることで、勉強の結果が出ない理由がわかることもある。しかし、理由がわかったところで改善の余地がない、ということはしょっちゅうある。このような子どもを勉強するよう促そうとも、結果として出てくるテストの結果に子どもは絶望しか感じなくなる。努力の結果が出ないとき、その努力の量が多いほど絶望は大きくなる。うんともすんともいかないときもある。

 

社会に出るためにも、中学生段階の義務教育として勉強しておかなければならないことはたくさんある。「努力をほめること」は大事ではあるが、それぞれ子どもの特性を大人は知っておかなければならない。義務教育があるので勉強させないといけないことはあるが、学校の勉強以外で能力を伸ばすこと、努力した結果能力が伸びる箇所で「ほめる」ことを意識するべきである。

コメント

タイトルとURLをコピーしました