景気対策の提言 『大前流心理経済学 貯めるな使え!』 【学校においてほしい本】

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『大前流心理経済学 貯めるな使え!』 著者 大前研一  講談社

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概要

起業家の大前研一が2007年に書いた、日本経済に対する提言を書いた作品。
消費対象が見当たらず、多くの老人が持て余した結果、使用されずに滞ってしまった個人金融資産1500兆円。この莫大な不動の金脈を動かせば、みるみるうちに日本経済は改善されるはず。この考えをもとに、大前研一氏は自身が提唱する「心理経済学」をもとに、日本経済を鼓舞する策を提案する。「心理経済学」の案は、日本を好景気に向かわせることができるのか。

2022年から見る2007年の書物

この記事を書いているのが2022年。2007年当時の日本の状況と比べてみると、たった15年でいかに世界が変わってしまって、いかに未来を見通すのが難しいがよくわかる。2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災、2020年のコロナウイルス、2021年の東京オリンピック。金融危機や自然災害、疫病は予想できなかったであろうし、著者は日本でオリンピックが開催される可能性はないと予想していた。投資のリスク、突然の災害により、日本の老人の財布のひもはさらに堅くなり、ここ15年はなにもせずにとりあえず貯蓄、という従来の日本的なお金の管理のままであった。塩漬けのままの1500兆円を動かす案の、「資産の若年への移動を早めにすること」「年金辞退法」「住宅の建て替えの推奨」「リタイアメント・タウン構想」など、筆者の提唱する案はどれも実現に至っていない。妥当な案もあるものの、残念ながら実を結ぶものはなかった。経済の好転がいかに難しいのか、この本を通じてよくわかる。

魅力

 経済関係の本ではあるものの、さほど堅苦しい文章ではなく、比較的読みやすい作品である。随所に図も紹介されており、視覚的にも理解しやすい内容となっている。本の分厚さの割にすぐ読める。約15年前の作品という点で、現代から過去を比較しながら作品を読むことができるので、自分の意見を持ちやすい作品である。なにより、著者が前向きに日本経済をなんとかしようと考えている点が、今の日本に元気を与えるようで、読んでいて楽しい。

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