大人な大人になるために 『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本 』【学校においてほしい本】

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大人の語彙力が使える順できちんと身につく本  著 吉田裕子 かんき出版

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概要 

 名前通りの作品です。正しい日本語を確かめたい、たくさんの言葉を知りたい、という人が読む本です。「謦咳に接する」「忸怩たる思い」「忌憚のない」「懈怠」「白痴」など、日常生活ではあまり聞きなれないような言葉に触れることができます。

批評

語彙が増えるに越したことはない

 勉強して語彙が増えることは素晴らしいです。本書は大人をターゲットとした作品でしょう、大人になってからも勉強をするという向上心があるのはなによりも尊いことでしょう。「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」ではないですが、自らの研鑽に励む意思がある限り、本書を読まずしても語彙力は身につくでしょう。

語彙力を高めていれば、一目置かれる存在になりうるのか

 本書のはじめにの箇所に

『語彙力を高めていれば、仕事でもプライベートでも、まわりの人から一目置かれる存在になることが可能です。』

とあります。果たして本当に、語彙力があれば一目置かれることになるのでしょうか。

 あなたが会話中に「実に慧眼でした」という発言をしたとします。「慧眼でした」という言葉を聞いて、果たして周囲の人はあなたを一目置くようになるでしょうか。周囲の人が「慧眼」という言葉を知っていても、特になんの反応もしないでしょう。慧眼を知らない人が「慧眼って何ですか」と聞いて、本書に書いてある

相手の洞察力が優れていて、物事の本質や裏側を見極めていることを褒めるときに、使う言葉です。

と説明しましょう。聞いた人は「なぜ慧眼という言葉を使う必要があったのか」と思うでしょう。もっと丁寧に説明しようと、

元は仏教用語で、慧眼(えげん)という風に読んでいました。釈迦の教えを実践したり、独自に修行したりすることで、佐鳥をひらく人がいますが、彼らの智慧を眼力にたとえ、「慧眼」と言い表したのです。

なんて言おうものなら、「仏教用語」という言葉を来た瞬間に耳を閉じます。

 「慧眼」という言葉を聞いたとき、若い人の大多数は「ちょっと何言ってっかよくわかんね」「こいつめんどくせぇwww」「『慧眼』って言葉を使っている自分がかっこいいと思ってそう」「今後こいつと関わらんとこ」「会話が嚙み合わなそう」「鼻につく」「だりぃwww」「きしょい笑」と思うでしょう。少なくとも若い人からは慕われませんし距離を置かれるでしょう。
 語彙力を高めていれば一目置かれるというのは、もしかして悪い意味で用いている表現なのでしょうか。

語彙力のある人には敵わない

無論、語彙を増やすことはよいことです。しかし、本書を読んだところで、発音はわかりません。本書を読んで学んだ言葉を言ったときに「それ発音違うよ」「それ使い方おかしくないか」なんて指摘されたら恥ずかしいったらありゃしないです。まして、本書に出ているような言葉は、発音を間違うと通じないことも多々あるでしょう。言われたほうはいい迷惑です。

大人な言葉を使う意味はあるのか

 わたし自身、漢検準1級以上の資格にも思っていることですが、特定の人しか知らない、一般的ではない言葉を発言するというのは、ただ優越感に浸りたいだけではないのかと思っています。語彙を増やすことは悪くないことですが、語彙力よりも何よりも大事なことは、年齢関係なく誰にでも「わかりやすい言葉を使う」という意思ではないでしょうか。言葉を知っていても、その言葉を知る人がいなければ、なんの意味もありません。コミュニケーションをとるために不便な言葉を使っても、なんのメリットも生まれません。

 むしろ、この記事の上段で出てきた「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」くらいのほうが、知名度もあって、一般的に「こいつよく知っているな」と思われるような言葉ではないでしょうか。日本の公立高校の教科書では、ここ20年は「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」のフレーズに触れているはずです。本書に出てくるどんな言葉より、もっと一般化された言葉です。

 どんな言葉をつかってもよいですが、意思疎通を測れないような言葉をつかってもしょうがないです。語彙を増やすというよりも、自分という人間を見つめてはどうでしょうか。

というマイナスプロモーションはおいといて、勉強になるから読んでね

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