記事概要 教員の視点から、昨今のPTAの在り方やPTAに関する問題について考えを述べます。
PTAを廃止することで起こること PTAがないことのメリットデメリット（前回記事）はこちら
PTAの強制加入の問題
あくまでPTAは任意で加入する団体です。「PTAに加入することは当然のこと」という同調圧力はあるかもしれませんが、保護者である「P」が必ず加入しなければいけない団体ではありません。ゆえに学校側もPTA役員側も、PTAへの加入を強制することもあってはならないことです。
PTAからの脱退
保護者は、PTAに関わりたくなければPTAに入らない、PTAから脱退するという選択肢もあります。PTAの会員が減れば、PTAに加入している会員の負担や仕事が増えるだけです。そして、PTAに入らない人、脱退する人が増えれば、PTAという組織が崩壊し、PTA自体がなくなることもあり得るでしょう。
PTAが任意加入の団体である限り、総会で「PTAを廃止する」という選択を行った場合、教員にできることはありません。PTAという組織がなければないなりに、教員はPTAが担ってきた仕事を行うだけです。しかしながら、たびたびニュースでも取り挙げられるように、教員の仕事は多忙を極めています。PTAの手助けがあって、何とか仕事が回っている部分もあります。
評判がいい学校ではPTA活動が活発
余談ですが、公立小中学校において、いい学校というものは保護者との良好な関係のもとに造られます。公立学校の教員には人事異動があるので、退職するまで同じ学校に在籍することは不可能です。ゆえに、保護者が子どもが通う学校を育てるのです。
評判がいい学校ではPTA活動が活発です。保護者が学校に対して協力的です。PTAでなくても、卒業生や地域の住民が、「私たちの学校」という思いで、支援を惜しみません。公立小中学校は、保護者の支援や理解や協力なしに、評判がいい学校となるのは難しく、また、その評判を維持することもできません。保護教員のみならず、児童生徒がのびのび学習する環境づくりに寄与したいという人が多ければ多いほど、学校は確実によくなっていきます。
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PTAに関する多岐にわたる問題
近年、PTA活動に消極的な保護者が多くなっています。それに伴い、PTAを脱退する、PTAに入らないという選択をする人も増えています。PTAに入らないことにより、他の保護者から「陰口」や「圧力」があるかもしれません。メディアがマイノリティを誇張してPTAの問題を取り上げているだけかもしれませんが、PTAに関わる問題が増えていることは事実かもしれません。
教員の視点からすると、PTAに関する問題はほとんどが「保護者の人間性の問題」なのかなという印象です。陰口を言うほうも言うほうだし、PTAのような子どものためのボランティア活動をやりたくないと思うほうも思うほうだ、という感じです。PTAやPTA活動に加入・協力する時間的・金銭的余裕がないのなら、まず家庭が抱える問題を解決したり、時間的・金銭的余裕ができるような社会の仕組みをつくったりするべきです。
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