「学力」の経済学
概要
「読書をする子は学力が高い」。はたしてそうであろうか。読書をすることが直接的に学力につながる場合は多いかもしれないが、読書をすると学力があがるという直接的な相関関係にはなりえない。この本は「データ」を基に、今まで正しいと思われてきた教育の効果を、科学的根拠(エビデンス)から説明した本である。
印象に残った・役に立つと思ったところ(作品引用)
子どもの「能力」を褒めるのではなく、「努力」をほめてあげる
「頭がいいのね」ともともとの能力をほめられた子どもは、IQテストでよい成績が取れたときはその理由を「自分は才能があるからだ」と考える。
「よく頑張ったね」と努力した内容をほめられた子どもたちは、悪い成績を取っても、それは「(能力の問題ではなく)努力が足りないせいだ」と考える。
子どもをほめるときには、具体的に子どもが達成した内容を挙げることが重要
テレビやゲームの時間を制限しても、子どもは自主的に机に向かって勉強するようにはなりません。子どもが勉強に取り組む姿勢が変わらないのに、テレビやゲームの時間を制限したら、たぶんそれに類似する他のこと―スマホでチャットをする、あるいはインターネットで動画を観るなど―に時間を費やすだけです。
少なくとも、子どもを勉強させるためにテレビやゲームの時間を制限するのは、あまり有効な方法とは言えないのです。
成績のいい友達がいることは必ずしもわが子の成績向上にはつながらない。
能力の高い教員は、子どもの遺伝や家庭の資源の不足すら帳消しにしてしまうほどの影響力を持つ。
大切なのは、「人から学び、獲得するもの」である非認知能力を、子どもたちが伸ばすことのできる機会や環境を、継続的に提供することなのです。
まとめ
この本には、効果がある教育方法が科学的根拠(エビデンス)を基に書かれている。情報が錯綜する現代の社会で、正しいソースのある情報にはさらなる価値が大きくなってくる。さらに正しい情報を仕入れ、正しい方法で実行する。基本に忠実でいることがこれからの世の中でさらに重要になる。そんな世の中で、この本に書かれているソースを基にした情報(著者の意見部分もあるが)に忠実で従うことは、大人が子どもに対してできる最高の教育である。
この本を読んで、子どもだけでなく大人も一緒に非認知能力を伸ばしていこう。
この本に関しての書評はこちら

マンガはこちら
コメント