記事の概要 近年LGBTの課題もあり、男女という性の区別に関する認識も変化してきています。男女共学か男女別学か、男女共学校か男子校か女子校かについて、その歴史と今後について書きます。
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私立高校の巻き返し(逆襲)2
制服の刷新、デザイナーズブランドも
中学・高校の制服といえば、男子は学生帽に詰襟、女子はセーラー服が定番でした。しかし、ブレザータイプのおしゃれな制服を採用する女子私立高校が現れ、それにあこがれて第一志望とする生徒もいました。デザイナーズブランドの制服も誕生し、受験案内には女子校の制服を特集するページが設けられるなど、制服のデザインが学校選びの選択肢にもなりました。
制服の刷新は男子高校にも波及し、また、公立高校の制服にも影響しています。
受験情報誌の活用
受験情報誌に掲載されることも、学校名を周知する有効な手段です。どのような基準で選ばれるかは不明ですが、「今後の躍進が期待される男子校・女子校」などで取り上げられると、受験者の確実な増加につながります。東京都内では、私立高校の共学化が進みましたが、注目される私立共学校と紹介された文京区内の某私立高校は、急激に受験倍率が向上しました。
私立高校への追い風、学校群制度の導入
複数の高校の組み合わせを「群(ぐん)」と呼び、東京都では1967年から学校群制度による入学検査が実施されます。それまでは、都立日比谷高校の志願者は、合格すれば晴れて日比谷高生となりました。しかし、学校群入試では、生徒は日比谷高校・九段高校・三田高校からなる「第11群」を受検し、群の合格者は3校のいずれかに割り振られます。つまり、合格=第一志望校への入学ではないということです。
学校群制度の導入を知った学力上位の中学生やその家庭は、都立有高校の代わりに、国立大学附属高校や麻布、開成といった私立高校を目指すようになりました。第二志望校として数千人が出願した海城、城北、豊島岡女子などは、いつの間にか都立普通科高校を凌駕するようになり、都立高校の地盤沈下が進みました。
中・高一貫、6年制学校の拡大
昨今、中学受験熱が高まっています。中学入試日が集中する2月上旬には、児童がほとんど登校しないという東京都心の小学校もあります。見方を変えれば、入試を経て中学校や女学校に進学した、戦前に回帰とも考えられます。
生徒数の確保という意味もあってか、東京都心のいわゆる「お嬢さん学校」では早くから中・高6年制教育が進み、高校からの募集を行わない学校が現れました。また、男子校では、中・高6年制教育が大学受験有利と、高校からの募集を行わない学校が増えました。希望する学校に高校からは入学できないとなると、公立・私立の中・高一貫校への受験熱は、ますます高まるかもしれません。
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