教育課程の自由化・公立中学校の復権
最近はあまり聞かれなくなりましたが、「会社勤め」は厳しく「役所勤め」は甘い、「会社員」はたいへんで「公務員」はお気楽というような風評は、いつ・なぜ生まれたのでしょうか。また、公立小・中学校より私立小・中学校が「全てが上」という風潮は、どのようにして世の主流となったのでしょうか。幼児期や小学校中学年から準備を始めるという『お受験』や『中学入試』が、このままの状況で継続してもよいのでしょうか。
全ての小・中学校の教育課程(カリキュラム)は、小学校の1単位時間は45分間を始めとして、文部科学省が告示する学習指導要領に定めらえています。公立の小・中学校は自校の教育課程を校長名で作成し、教育委員会に提出します。しかし、ご丁寧なことに学校には、教育委員会が承認(納得)するまで、書き直しが求められます。なお、私立学校には、作成する教育課程を提出する必要はありません。
しかしながら、教育課程を作成し教育委員会に提出することの弊害も見受けられます。かつて、「特色ある学校づくり」という項目が学習指導要領に盛り込まれ、学校にはその計画・立案・実施が求められたことがありました。限られた、つまり、少ない予算で、他校と異なるプランを提出せよというのです。公立学校の特色など、短期間で簡単に確立させることができるでしょうか。学校名を聞いただけで、人がその特色をイメージできる中学校が全国に何校あるでしょうか。
考えるに、世の関心の的となる学校の特色といえば、良くも悪くも進学や部活動の実績ではないでしょうか。実際に学校がわも、難関とされる高校・大学への進学実績や地方大会や全国大会での記録や成績を、自校の特色や売り物にしていないでしょうか。
そこで、公立学校の教育課程の自由化や柔軟化を進めてはどうでしょうか。例えば、総合的な学習の時間や学級活動に代えて入試科目の授業を増やし、進学重点校や学力増進校をアピールします。一方で、実技教科や芸術教科の時間数を増やし、生徒のもつ素質や技能を向上させます。このような学校を適切に配置し、児童や保護者に選択させることで、生徒の個性を生かし、将来を見通した中学校生活を送らせます。結果が数字で表されれば、公立中学校へ評価が向上し、公立中学校の魅力も増えていくでしょう。
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